2015年9月
失われた建造物に対する1枚の古写真のみを用いた3次元情報の取得に関する研究―旧帝国劇場を事例として―(共著)
東京農業大学農学集報
- ,
- 巻
- 60
- 号
- 2
- 開始ページ
- 85
- 終了ページ
- 92
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
本研究では,現存しない歴史的建造物を復元するための3次元情報取得を目的とし,建造物が写し込まれている1枚の古写真を用いての3次元形状把握を行った.通常,写真測量の原理を用いて対象物の3次元情報を取得するためには,2枚以上の写真を必要とするが,本研究は1枚の写真のみから対象とする建造物の幾何学情報を抽出し,3次元情報の取得を試みるものである.対象とした建造物は,写真上において遠近法の二点透視法に近い構成で写し込まれている旧帝国劇場である.旧帝国劇場の写真上からは2点の消失点を推定し,さらに画角の推定や長さの指標としての人物の身長の利用により,撮影に用いたカメラの画面距離,撮影点から対象物までの奥行き距離等の推定値を順次求め,それらの推定値より旧帝国劇場の表面の各点に対する3次元座標を算出した.