共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

加齢・高齢化する結婚移住女性たちのケア環境とモビリティに関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K01185
体系的課題番号
JP18K01185
配分額
(総額)
3,510,000円
(直接経費)
2,700,000円
(間接経費)
810,000円

本研究では、医療人類学的視点から移住女性の身体的・精神的問題と日本の医療現場の経験のズレ、家族や地域社会のケアの実態を明確にし、加齢・高齢化の中の移住女性のケアシステムの在り方を提言することを目的とする。ここで想定するケアとは、高齢化に伴う病気や認知症といった身体面でのケアだけでなく、うつ病や更年期障害のような精神面でのケア、経済的自立に関わる社会的ケアも含める。
今年度の研究実績として、東北に結婚移民で定住している外国人女性5人の追跡調査を行っており、彼女らが抱える身体的・精神的病気の問題とその治療のための行為を記録する事ができた。年齢的には60代が3人と40代が2人となっている。それぞれ、家族構成に違いがあり、それによって家族内でのケア環境は異なっているが、日本の生活の中で限定されている社会的資本の現状と限られた情報に苦悩しており、それを打破するために出身国のネットワークを利用している事、乃至それを望んでいることは共通する点と言える。また、病気にために本国に戻った移住女性に関しても追跡の調査を継続している。
夏には日本の結婚移住女性の状況と比較するために、韓国でいくつかの移住女性団体の聞き取り調査なども行ない、韓国の移住女性に対する医療の取組に関する資料も多少集めることができた。国際比較としては、台湾の取り組みについても情報を収集するつもりであったが、新型コロナの影響で進展できない状況である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K01185
ID情報
  • 課題番号 : 18K01185
  • 体系的課題番号 : JP18K01185