2020年4月 - 2023年3月
無巨核球性血小板減少症を伴うあるいは伴わない橈尺骨癒合症の病態解析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
- 課題番号
- 20H03637
- 体系的課題番号
- JP20H03637
- 担当区分
- 研究分担者
- 配分額
-
- (総額)
- 17,680,000円
- (直接経費)
- 13,600,000円
- (間接経費)
- 4,080,000円
MECOM(MDS1 and EVI1 complex locus)は転写調節因子であるMDS1-EVI1およびEVI1をコードする遺伝子で3q26に位置する。発表者らは無巨核球性血小板減少症を伴う橈尺骨癒合症(RUSAT)にMECOMのミスセンス変異を同定し、2015年に発表した。EVI1はN末に7つ、C末に3つのジンクフィンガー(ZF)モチーフを持つが、我々が同定したミスセンス変異は、8番目のZF(ZF8)に集中していた。我々はMECOM変異が同定された2家系を同定した。
家系1においては、発端者は出生後汎血球減少を呈したが、RUSは合併していなかった。しかし母は両側RUSを持っていたため、発端者でMECOM変異解析を行ったところ、ZF8をコードするエクソンのスプライシング異常を引き起こす変異が同定された。母の末梢血では同じ変異が同定されなかった。母の血液では3番染色体にCNLOHが同定された。さらに発端者の輸血依存度がやや改善傾向の時の骨髄細胞を解析したところ、やはり3番染色体にCNLOHが同定された。しかしその後輸血依存度は再度高まり、骨髄移植を必要とした。
家系2においては、発端者は出生後RUSを持たず汎血球減少を呈したが、父がRUSを有していた。発端者および父、両側clinodactylyのみを有する兄のいずれにおいてもMECOMにZF8に1アミノ酸挿入を引き起こすスプライシング変異を同定した。
RUSAT患者のみならず先天性骨髄不全を呈した患者にRUSの家族歴が存在した場合はMECOM異常症を疑うべきと考えられたため、これらをまとめBlood Advances誌に報告した。
家系1においては、発端者は出生後汎血球減少を呈したが、RUSは合併していなかった。しかし母は両側RUSを持っていたため、発端者でMECOM変異解析を行ったところ、ZF8をコードするエクソンのスプライシング異常を引き起こす変異が同定された。母の末梢血では同じ変異が同定されなかった。母の血液では3番染色体にCNLOHが同定された。さらに発端者の輸血依存度がやや改善傾向の時の骨髄細胞を解析したところ、やはり3番染色体にCNLOHが同定された。しかしその後輸血依存度は再度高まり、骨髄移植を必要とした。
家系2においては、発端者は出生後RUSを持たず汎血球減少を呈したが、父がRUSを有していた。発端者および父、両側clinodactylyのみを有する兄のいずれにおいてもMECOMにZF8に1アミノ酸挿入を引き起こすスプライシング変異を同定した。
RUSAT患者のみならず先天性骨髄不全を呈した患者にRUSの家族歴が存在した場合はMECOM異常症を疑うべきと考えられたため、これらをまとめBlood Advances誌に報告した。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H03637
- 体系的課題番号 : JP20H03637