共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

自律的に最小エネルギー動作を実現する集積回路設計技術

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
16H01713
体系的課題番号
JP16H01713
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
41,470,000円
(直接経費)
31,900,000円
(間接経費)
9,570,000円

本研究では、集積回路を所定の速度制約の下で消費エネルギー最小の動作点(MEP)で動作させるという新規動作機構を提案し、その一実現手法を世界に先駆けて開発するものである。研究内容は、最小エネルギー動作点を求める問題(MEP探索技術)と、動作環境により変動するMEPにどのように追従するかという問題(MEPT動作機構)に分類できる。MEP探索技術については、制御対象回路のMEPの解析・モデル化と、オンチップモニタによる動作状況情報の取得方法を検討する。MEPT動作機構については、VthとVddの更新アルゴリズムの開発と、Vth制御用基板バイアス生成回路の開発を計画している。
本年度における研究実勢の概要は以下の通りである。
MEP探索技術についての実績は、次の2点にまとめられる。第1の成果は、nMOSトランジスタとpMOSトランジスタのしきい値を独立に設定する事により、電源電圧一定の条件において最小エネルギー動作点(MEP)に到達するアルゴリズムを明かにした事である。第2の成果は、静的消費電力と動的消費電力の割合を一定に保つことにより、MEPに準ずる消費エネルギーで回路が動作することを示したことである。
MEPT動作機構については、基板バイアス生成回路をセルベース設計により実装する設計技術を開発した。実際に、65nmのSOIプロセスにおいて基板バイアス生成回路のテストチップを試作し、詳細な動作特性を評価した。開発回路の特徴は、B級出力段により基板容量の充放電を効率的に行うバッファ回路にある。その設計手順を明確化し、制御対象の回路に応じて基板バイアス生成回路を迅速に設計する方法を明かにした。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16H01713
ID情報
  • 課題番号 : 16H01713
  • 体系的課題番号 : JP16H01713