共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

近代日本の多目的催事空間に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
17K13527
体系的課題番号
JP17K13527
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

本年度(平成30年度)は、引き続き仙台を中心に、東北地方他都市の事例も検討しながら「多目的催事空間」の比較分析の進展を図った。具体的には、
(1)宮城県公文書館所蔵の行政文書等から、宮城県内の公会堂関連の文書の所在について確認するとともに、隣接都市である岩手県公会堂、山形県商品陳列所、福島市公会堂の催事についても、各所発行の年報や年史、地方新聞から1930年代の状況を抽出した。また上記に加えて公園など野外空間での催事についても調査対象を広げ、屋内・屋外における催事機能の分析を行った。
(2)前年に続き、斎藤報恩会会館講堂について、東北大学史料館に2015年度に寄贈された斎藤報恩会関係文書を分析し、年報等の史料のほか、研究助成と成果公開に関する資料にも分析対象を広げ、研究成果公開との相互関係にも着目しつつ、1930年代における斎藤報恩会の催事やデータベース化を進めた。
(3)また、前年に続き仙台の地場系百貨店である藤崎の催事開催内容に関するデータベース化を進め、合わせて隣接都市である、岩手の川徳・松屋、山形のミツマス、福島の福ビル・中合など、地方都市における百貨店、百貨店式経営商店の1930年代における経営戦略・文化催事について検討を行った。
これらの成果の一部は、2018年10月の東北史学会における「1930年代の盛岡における多目的催事の変遷~公会堂から百貨店へ~」の学会報告、また共著、谷内正往・加藤諭『日本の百貨店史 地方、女子店員、高齢化』(日本経済評論社、2018年)の成果公開に結実した。
さらに、旧帝国大学内における講堂空間での催事展開に関する資料の残存状況について、全国的な把握を試みるべく、東京大学文書館での史料調査を行うとともに、大学アーカイブズにおける展示催事と大学アーカイブズの成立過程について論文化を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K13527
ID情報
  • 課題番号 : 17K13527
  • 体系的課題番号 : JP17K13527