共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2020年3月

ボアホール検層と微小地震解析を融合させたハイブリッド断層面解推定法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
18K14167
体系的課題番号
JP18K14167
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

本研究を構成する3ステップのうち,本年度は以下のステップ1を実施した。
1 地震波形データ+地殻応力 期間: H30年4月~H30年12月: 地殻応力の絶対値・方向が既知である際,水圧刺激時のある間隙水 圧上昇(送水圧力)下で,せん断滑りを起こすことができるき裂面の向きは限定することができる。押し引き極性情報 によって求められたき裂面の向きに,地殻応力・送水圧力に調和的なき裂面の向きを融合させることによって,き裂面の向きを絞り込む。
上記コンセプトを実現するためのプログラムを実装し,実フィールドデータを用いて本手法の有効性を検証した。その結果,ほとんどの場合で,工学的に有効なほど,断層面の範囲を限定することができた。特に,注水圧力が小さい時,つまり水圧刺激の初期に発生する微小地震の断層面解の限定に非常に有効であることがわかった。これらの微小地震は,注水井戸近傍で起きることが多い。これらの断層面解の限定は井戸近傍のき裂システムを理解する上で大変重要であり,貯留層管理にとって非常に重要な情報が抽出できたことを意味する。さらに,かなりの不確定要素を含む実フィールドデータを用いた場合でも同様であった。地殻応力が不確実性を含む場合に関しても,シミュレーションを実施した結果,本手法によって限定される解の範囲は安定的であり,本手法が入力データが不確実な場合でも,多数の地球物理データを組み合わせることで,有意にかつ,正しく断層面解の範囲を限定することに成功したと言える。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K14167
ID情報
  • 課題番号 : 18K14167
  • 体系的課題番号 : JP18K14167