2020年11月25日
複数回の児童虐待通告があった事例への援助プロセスに関する質的研究-児童相談所のリスクアセスメントに焦点を当てて-
子ども家庭福祉学
- 巻
- 20
- 号
- 20
- 開始ページ
- 108
- 終了ページ
- 119
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)
- DOI
- 10.57489/jscfw.20.0_108
- 出版者・発行元
- 日本子ども家庭福祉学会
本研究では,複数回の通告があった虐待事例の通告受理からケース終結までの児童相談所の援助プロセスを検討することを通して,ネグレクトと心理的虐待に対するリスクアセスメントの視点について明確化することを目的とした.児童相談所職員1名に3回のインタビュー調査を実施し,TEA(複線径路等至性アプローチ)を用いて,【ケース終結】を等至点とするモデルを作成した.その結果,必須通過点かつ分岐点である【緊急受理会議】および【援助方針会議】において,等至点から遠ざけるリスクに関する情報と等至点に近づける強みに関する情報を考慮しながら援助方針を判断していることが分かった.本研究より,通告を繰り返すネグレクトと心理的虐待ケースへの援助プロセスでは,家族との関係性を築きながら,リスクと強みをバランスよくアセスメントし,子どもの最善の利益とは何かを常に考えて援助を行っていることが明らかになった.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.57489/jscfw.20.0_108
- ISSN : 1347-183X
- eISSN : 2758-2280
- CiNii Articles ID : 40022457293
- CiNii Books ID : AA12201581
- CiNii Research ID : 1390576347187076992