論文

査読有り
2019年12月

顆粒球単球吸着療法により良好なコントロールをしえた高齢者膿疱性乾癬の一例

加齢皮膚医学研究会 加齢皮膚医学セミナー
  • 岳崎 彩香
  • ,
  • 夏見 亜希
  • ,
  • 立石 千晴
  • ,
  • 鶴田 大輔

14
2
開始ページ
57
終了ページ
60
記述言語
英語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)

82歳、男性。50歳代時、そう痒を伴う紅斑が下肢に出現し、全身に拡大したため、前医を受診した。尋常性乾癬の診断でステロイド外用を7年間行ったが、改善に乏しく当科紹介となった。エトレチナート内服を開始し、3年内服後症状が軽快したため中止した。その後3年経過時(60歳代時)、39度台の発熱および四肢の浮腫、鱗屑を伴う紅斑が全身に出現し、手掌と足背に小膿疱を認めた。右足背の膿疱からの皮膚生検でKogojの海綿状膿疱をみとめ、臨床症状と合わせて膿疱性乾癬と診断した。エトレチナート治療を再開したところ、経過中エトレチナートによると考えられる皮膚びらんがみられた。その1ヵ月後から四肢体幹に緊満性水疱が出現し、皮膚生検を施行したところ、表皮下水疱と水疱内に好酸球浸潤があり、蛍光抗体直接法では表皮基底膜部にIgGとC3が線状に染色されたため、水疱性類天疱瘡の合併と考えた。シクロスポリン内服を追加したところ、水疱および紅斑が消失したため、治療開始から6ヵ月後にエトレチナートは中止し、シクロスポリン内服のみを継続した。経過中70歳代時、右膝窩汗管癌がみられたため、手術療法を行った。シクロスポリン12年間内服経過時に、急性膵炎を発症し、シクロスポリンによる薬剤性膵炎を疑い内服を中止した。その後、クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏やカルシポトリオール水和物・ベタメタゾンジプロピオン酸エステル軟膏による外用療法のみでは鱗屑を伴う紅斑は軽快しなかった。エトレチナートは皮膚びらんのエピソードのため患者が内服を希望しなかったこと、シクロスポリンは急性膵炎の既往があったこと、紫外線療法は水疱性類天疱瘡の既往があること、生物学的製剤は汗管癌の術後4年半であったことと、高齢であったことにより、これらは患者と相談の上選択せず、同年に顆粒球単球吸着療法を開始した。その後、顆粒球単球吸着療法を3年継続したが、わずかに両側大腿に紅斑を認めるのみで、良好なコントロールが得られている。(著者抄録)

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