共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

芸術祭は地域づくりにつながるのか―中長期的効果・プロセス・条件に関する定性的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究

課題番号
20K12892
体系的課題番号
JP20K12892
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円
資金種別
競争的資金

本研究では、数ヶ年で開催から約10年が経過する水と土の芸術祭、いちはらアート×ミックス、札幌国際芸術祭の3事例の芸術祭を中心に、地域づくりの中長期的効果・具体的プロセスを定性的に分析したすることとしていた。しかし、コロナ禍の継続などで国内の芸術祭のリサーチがままならないこと、2021年度秋からサバティカルを利用した在外研究で渡欧した事情などにかんがみ、改めて国内の芸術祭の既存の研究を再分析しつつ、海外の芸術祭の調査、分析を行い、国内の芸術祭との比較を視野に入れた研究を展開した。
まずは、国内の芸術祭に関しては、、拙論『《長者町山車プロジェクト》と《STUDIO TUBE》の比較―文化政策的意義と美学への応答都市型芸術祭』において、あいちトリエンナーレが地域づくりに影響を与えた主な2つのプロジェクトを取り上げ、両者が相まって地域に明確なインパクトを与えた稀有な例だったことに言及した。
一方で、イギリスの「コベントリービエンナーレ」、同時開催の「ターナー賞・展覧会」のリサーチを行った。その結果、アートコレクティブの活動が注目されるなど、パンデミック後の国内の芸術祭の地域づくりに関する重要な示唆を得た。
くわえて、2021年12月に国際シンポジウム「ポストオリンピックとアートプロジェクト-ストリートワイズ・オペラ/アート&ホームレス インターナショナルとココルームの交流からみえること」をオンラインで開催した。イギリスのコベントリー市で2021年秋に開催されたアート&ホームレス芸術祭などをとりあげ、ポストオリンピックのアートプロジェクト・芸術祭の一つのあり方を示唆した。それは、地域課題を踏まえた地域発の取り組みの普遍性を発見・再確認し、世界につなげて連帯し、前に進んでいく。ときには、オリンピック・万博などの大規模イベントともつながり、変革を起こしていくという方向性である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K12892
ID情報
  • 課題番号 : 20K12892
  • 体系的課題番号 : JP20K12892