2020年10月
遊休空間を活用した地域住民提案型オープンスペースの特徴に関する研究:台北市における「オープングリーン」の取り組みを事例に
公益社団法人 日本都市計画学会 都市計画論文集
- 巻
- 55
- 号
- 3
- 開始ページ
- 705
- 終了ページ
- 712
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11361/journalcpij.55.705
- 出版者・発行元
- 公益社団法人 日本都市計画学会
<p>本稿では地域住民の提案により地域内に存在する遊休空間を改造して活用するOSを「地域住民提案型OS」と定義し、台北市において2014年から推進されてきた「オープングリーン」(OG)事業の中で創出された地域住民提案型OSに着目する。本稿では、以下2つの仮説を検証することを目的とする:仮説1) 台北市ではこれまでの一連のまちづくり関連施策と住民主体による空間提案の経験蓄積から、台北市の全域に地域住民による活発なOGの提案がなされている:仮説2) 住民主体によるOGの提案により創出された地域住民提案型OSでは、多様な空間利用が実現されている。本稿ではまず、背景としての台北市のまちづくりと遊休空間の活用をめぐる動向を整理した。本稿の成果を以下に示す:仮説1)の検証からOGの提案件数、立地条件、面積などに地域差があったものの、OGは今までのまちづくりの成果の継承のみならず、今後の新たな担い手の出現の契機にもなっていると解明した。仮説2)の検証から、住民主体のOG提案により地権者や既存空間の現状に縛られず多くの遊休空間の活用に成功し、更にOGでは1件あたり4種類もの多様な空間利用が共存し、「地域住民提案型OS」の多様性と可能性を明確に示唆した。</p>
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11361/journalcpij.55.705
- ISSN : 0916-0647
- eISSN : 2185-0593
- CiNii Articles ID : 130007930107
- CiNii Research ID : 1390286426512991872