共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2025年3月

長鎖非コードRNA群によるCCN2を通じた骨格形成調節機構の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
21H03105
体系的課題番号
JP21H03105
配分額
(総額)
17,160,000円
(直接経費)
13,200,000円
(間接経費)
3,960,000円

1. ACURの機能解析:ACURはCCN2 mRNAの3'非翻訳領域に相補的なアンチセンスRNAであり、その発現が予想に反してCCN2 mRNAの発現量と相関する。本年度は昨年度から取り組んでいる、GapmeRを用いたACUR特異的サイレンシング実験を繰り返し、ACURサイレンシングによりCCN2 mRNAの発現が有意に低下すること、さらに軟骨細胞分化のマスター転写因子であるSOX9の発現も同様に抑制されることを明らかにした。この効果はCCN2に対してより強くみられるため、ACURはCCN2の遺伝子発現促進を通じて軟骨細胞分化に貢献している可能性が高くなった。
2. ACURによるCCN2発現制御メカニズムの解析:ACURのCCN2制御機構を明らかにするため、CCN2 3'-UTRを蛍ルシフェラーゼ遺伝子下流に接続したレポーターベクターを軟骨細胞様HCS-2/8細胞に、ACUR強制発現ベクターとともに導入してルシフェラーゼ活性を評価したが、ACUR発現による変化はみられなかった。よってCCN2 3'-UTRを標的とするmiRNAなどのアクセスを遮断してCCN2発現を増強するという可能性は低くなった。そこで次にACURがCCN2遺伝子座周辺の微細環境の形成に貢献していることを想定し、予備実験を開始した。
3. UCA1の作用メカニズムの解明:昨年度の研究でUCA1の作用が軟骨細胞特異的であることが明らかになったが、本年度はヒト線維芽細胞にUCA1を強制発現させ、RNA-sequencingを行ったデータを公共データベースからダウンロードし再解析した。その結果、線維芽細胞でUCA1はCCN2発現に影響を与えないという結果が得られた。したがってUCA1によるCCN2発現制御は軟骨細胞形質の変化に伴う間接的な現象と考えられる。
4. CCN2遺伝子座から出力される新たなRNA分子の発見:CCN2 pre-mRNAから生成しうる環状RNA (circRNA)を探索したところ、ヒトとマウスにおいて今までに報告のないcircRNAが複数出力されていることを見出した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21H03105
ID情報
  • 課題番号 : 21H03105
  • 体系的課題番号 : JP21H03105

この研究課題の成果一覧

MISC

  13

講演・口頭発表等

  8