共同研究・競争的資金等の研究課題

2007年 - 2008年

MMPの新機能:マトリクス合成促進因子の転写因子としての役割

日本学術振興会  科学研究費助成事業 萌芽研究  萌芽研究

課題番号
19659487
体系的課題番号
JP19659487
配分額
(総額)
3,300,000円
(直接経費)
3,300,000円

(1)MMP-3と複合体を形成する転写関連因子の探索と機能解析;MMP-3とnuclear MMP-3associated protein (NuMAP)の発生、内軟骨性骨化過程における遺伝子発現変動の解析:まず、マウスの発生段階でのこれら遺伝子の発現変動をin silicoでESTデータベースを活用し解析した結果、MMP-3の制御標的であるCCN2遺伝子発現は原腸陥入以後成体に至るまでは誘導されること、またMMP-3は出生時以後に発現が誘導されることが明らかになった。これに対してNuMAPであるretinoblastoma binding protein4(RBBP4)、nuclear receptor co-repressor1(NRCR1)、Interleukin enhancer binding factor2(ILF2)は卵細胞から成体に至るまで広い発生段階で遺伝子発現がみられた。続いてマウス成長軟骨初代培養細胞増殖・分化系でRBBP4とILF2遺伝子発現が、共に、後期分化、つまり肥大化に向かうに従って上昇することをリアルタイムRT-PCRで明らかにした。以上より、NuMAPのうちRBBP4およびILF2は、発生毅階で見る限りではcofactorとは考えにくいものの、内軟骨性骨形成においてはMMP-3によるCCN2遺伝子の転写活性化を支える役割を果たすものと考えられる。
(2)他のMMPsによるCCN2/CTGF遺伝子の転写制御の検討:軟骨細胞様HCS-2/8細胞におけるCCN2遺伝子プロモーター活性を、MMP-2/9特異的阻害剤の存在下で評価した結果、MMP-3特異的阻害剤でみられた用量依存的な転写活性抑制効果はみられなかった。したがってMMP-2およびMMP-9はMMP-3とは異なり、MMPとしての古典的機能と関連した形では、CCN2遺伝子の転写制御にかかわっていないことが示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19659487
ID情報
  • 課題番号 : 19659487
  • 体系的課題番号 : JP19659487