講演・口頭発表等

2020年2月16日

筑波大学総合がん診療センターを中心とした茨城県がん・生殖医療ネットワークの現状と課題

第10回 日本がん・生殖医療学会学術集会
  • 古城,公佑

記述言語
日本語
会議種別
口頭発表(一般)

2018年7月より筑波大学で精子凍結保存の運用を開始してから、1年が経過した。このことは、長年にわたり精子凍結保存を少数の民間の不妊治療施設に依存していた茨城県内のがん患者にとって大きな福音となることが期待された。実際、これまで精力的にがん生殖医療を実践してきた関係者の協力もあり、徐々に妊孕性温存の相談件数も増加しつつある。
妊孕性温存は、泌尿器科や婦人科などの生殖を担う診療科が一手に引き受けることが多いと考えられるが、筑波大学ではこの事業を総合がん診療センター(以下、がんセンター)の管轄とした。この利点として以下のことが挙げられる。(1) 生殖医療専門医だけでなく、がん治療医、認定看護師、薬剤師、臨床心理士、培養士、社会福祉士などが構成員に加わることにより、多職種によるチーム医療が実践しやすくなる。(2) がん診療科毎に妊孕性温存の担当者を取り決めることにより、様々な事情を抱えた若年がん患者に対して腫瘍医療