共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

ヨーロッパにおける二重機能型国務院の比較法的研究-権力分立と人権保障の観点から-

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K01256
体系的課題番号
JP18K01256
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
1,560,000円
(直接経費)
1,200,000円
(間接経費)
360,000円

令和元年度は、フランス、ベルギー及びオランダの国務院に関する制度及び議論を調査・検討した。
フランス国務院に関しては、従来から研究を行ってきたが、今年度は、フランス国務院全体の制度を明らかにするために、フランスの行政裁判法典の翻訳を行った。この翻訳により、フランス国務院の制度全体を詳らかにすることができた。奥村公輔「フランス国務院関係法令集」成城法学86号(2020年)381-425頁。また、フランス国務院行政部の憲法解釈に関する報告を行い、研究会参加者から多くの知見を得ることができた。奥村公輔「フランスにおける政府の憲法解釈」(フランス行政法研究会、2019年6月、上智大学)。
ベルギー国務院についても、その全体像を把握するために、ベルギー国務院に関する諸法令を翻訳した。奥村公輔「ベルギー国務院関係法令集」成城法学87号(2020年)169-251頁。また、ベルギー国務院に関して、長官のJacques Jaumotte氏にインタビューを行うことができ、文献からは知りえない貴重な情報を得ることができた。Jaumotte氏へのインタビューは録音しており、そのインタビューの内容を我が国内で公表することを許可されたので、来年度に紀要等にて日本語に翻訳した上で公表する予定である。
オランダ国務院に関しては、欧州人権条約の保障する「独立の公平な裁判所による裁判を受ける権利」との視点からの検討を行った。奥村公輔「欧州人権裁判所に直面するオランダ―二重機能型国務院と「独立の公平な裁判所」-グローカル研究No7(2020年)1-19頁(近刊のため予定)。さらに、オランダ国務院へのインタビューも実施することができ、国務院評定官のH. G. Lubberdink氏へのインタビューから貴重な情報を得ることができた。Lubberdink氏へのインタビューも来年度に紀要等にて公表する予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K01256
ID情報
  • 課題番号 : 18K01256
  • 体系的課題番号 : JP18K01256