1999年 - 2000年
真核細胞のDNA複製とチェックポイント制御の分子機構に関する共同研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
本研究課題においては、真核細胞のDNA複製の開始と制御について広い視点から研究を行ってきた結果、以下の成果を得た。
1 動物細胞のCdc7類似キナーゼ複合体の機能が、その複製と増殖に必須であることを、マウスES細胞を用いた遺伝学的実験により証明した。
2 Cdc7キナーゼ複合体の特異的基質がMCM複合体であることを生化学的、遺伝学的に示し、そのリン酸化が、サリクリン依存性キナーゼと共役して起こることを示した。
3 Dbf4/ASK活性制御サブユニットに保存された3つのモチーフ(N, M, C)を同定しこのうちMとCがそれぞれ独立に触媒サブユニットに結合し、キナーゼ活性化に必要であることが明かになった。Nはクロマチンとの相互作用に関与することが示唆された。モチーフNの変異はDNA複製チェックポイント、DNA損傷からの回復に損傷を示すことがしめされた。
4 分裂酵母の新規複製開始欠損変異体を単離したところ、Cdc45であることがあきらかとなった。Chc45タンパク質は、細胞周期を通じてDNAポリメラーゼaと結合していること、G1初期にCdc10非依存的にクロマチンに結合し、G1-S境界に、MCMに結合する。その結果DNAポリメラーゼを複製複合体に導入すると考えられる。
5 ヒト染色体5qに存在するIL-3/GM-CSF領域を対象にcompetitive PCR法を用いて複製起点マッピングを行った結果、GM-CSFの下流に複製起点を見い出した。また、その極めて近傍にORC ; MCMの結合部位があることを示した。また、この領域とすでに同定されているヒト染色体複製起点の配列を比較した結果、保存された配列を見い出した。
6 マウス染色体11qのIL4/IL-13領域においても同様に複製起点マッピングを行った結果、IL13遺伝子の近傍に、複製起点活性を見い出した。
1 動物細胞のCdc7類似キナーゼ複合体の機能が、その複製と増殖に必須であることを、マウスES細胞を用いた遺伝学的実験により証明した。
2 Cdc7キナーゼ複合体の特異的基質がMCM複合体であることを生化学的、遺伝学的に示し、そのリン酸化が、サリクリン依存性キナーゼと共役して起こることを示した。
3 Dbf4/ASK活性制御サブユニットに保存された3つのモチーフ(N, M, C)を同定しこのうちMとCがそれぞれ独立に触媒サブユニットに結合し、キナーゼ活性化に必要であることが明かになった。Nはクロマチンとの相互作用に関与することが示唆された。モチーフNの変異はDNA複製チェックポイント、DNA損傷からの回復に損傷を示すことがしめされた。
4 分裂酵母の新規複製開始欠損変異体を単離したところ、Cdc45であることがあきらかとなった。Chc45タンパク質は、細胞周期を通じてDNAポリメラーゼaと結合していること、G1初期にCdc10非依存的にクロマチンに結合し、G1-S境界に、MCMに結合する。その結果DNAポリメラーゼを複製複合体に導入すると考えられる。
5 ヒト染色体5qに存在するIL-3/GM-CSF領域を対象にcompetitive PCR法を用いて複製起点マッピングを行った結果、GM-CSFの下流に複製起点を見い出した。また、その極めて近傍にORC ; MCMの結合部位があることを示した。また、この領域とすでに同定されているヒト染色体複製起点の配列を比較した結果、保存された配列を見い出した。
6 マウス染色体11qのIL4/IL-13領域においても同様に複製起点マッピングを行った結果、IL13遺伝子の近傍に、複製起点活性を見い出した。
- ID情報
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- 課題番号 : 11694247
- 体系的課題番号 : JP11694247