2020年3月
腟閉鎖開放術後に自然妊娠したOHVIRA症候群の1例と当院における泌尿生殖器奇形合併妊娠の周産期予後
関東連合産科婦人科学会誌
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- 巻
- 57
- 号
- 1
- 開始ページ
- 95
- 終了ページ
- 100
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- (一社)関東連合産科婦人科学会
Obstructed hemivagina and ipsilateral renal anomaly syndrome(以下OHVIRA症候群)は,子宮奇形に片側の腟閉鎖,閉鎖腟と同側の腎形成異常を伴う疾患である.今回我々はOHVIRA症候群の患者が腟閉鎖開放術後に妊娠し分娩に至った症例を経験したため,当院の泌尿生殖器奇形合併妊娠の傾向と共に報告する.患者は0妊0産,17歳時に双頸双角子宮,左側腟閉鎖を指摘されていた.22歳時に強い下腹部痛を主訴に当科を受診し,MRIで双頸双角子宮,左側腟閉鎖,腟留血症を認めた.排泄性尿路造影で左腎欠損を確認し,OHVIRA症候群と診断した.腟閉鎖,腟留血症に対し左腟開放術を行った.術後2年目に第1子を妊娠,切迫早産や胎児発育不全などなく経過したが,妊娠37週で前期破水し骨盤位の適応で緊急帝王切開術を行った.腟開放術後4年目,6年目に帝王切開術で児を娩出したが,第2子も骨盤位であったこと以外,妊娠経過は順調であった.OHVIRA症候群を含めた泌尿生殖器奇形合併妊娠は,胎位異常による帝王切開率の増加や胎児発育不全・早産率の上昇が指摘されておりハイリスク妊娠として慎重に周産期管理を行う必要がある.(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 2186-0610