共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2025年3月

前庭に影響する新規物理的環境因子のリスク評価と予知・予防法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H03929
体系的課題番号
JP20H03929
配分額
(総額)
17,550,000円
(直接経費)
13,500,000円
(間接経費)
4,050,000円

【研究目的】低周波騒音(LFN)は、ヒトには殆ど聞こえない100 ヘルツ(Hz)以下の周波数を持つ騒音と定義され、空調・電気機器・重機等から最大100デシベル(dB)の音量で発生している物理的環境因子である。LFNは、会話音域の騒音と異なり、健康リスク評価法や環境基準値だけでなく、予防技術も確立されていない。代表者らはLFN発生装置を開発し、LFNをマウスに曝露すると平衡感覚障害が誘発される事を初めて明らかにした。本研究は、マウスを対象にしたLFNの過剰曝露のリスク評価により、平衡感覚障害と耳石膜ダメージを誘発する音量と時間の閾値を確定し、予知・予防法を開発すると共に、ヒトで有効性を検証する。
【成果】過去の報告で環境物理刺激を用いたpre-conditioning therapyを、疾患モデルマウスに対して実施すると、健康リスクを予防出来る事が示されている。過去の我々の研究成果でセットアップした前庭の器官培養系を用いたリスク評価を用いて、LFNによる健康リスクを予防できるか予備検討を進めている。今年度はフィールドワークにより屋外のLFNの発生源を調査し音源をサンプリングした。今後、サンプリング騒音を用いたリスク評価も実施する予定である。また、健常人を対象にcVEMPや重心動揺計の成績により、健康リスク影響を評価する予備検討も進めている。
【意義、重要性】LFNのリスク評価について、in vitroやex vivoで評価方法は限られている。本研究の成果によりリスク評価が進み、予知・予防法を開発できる事が期待される。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H03929
ID情報
  • 課題番号 : 20H03929
  • 体系的課題番号 : JP20H03929