論文

2014年

スギ人工林における間伐後の蒸散量と遮断蒸発量の変化

水文・水資源学会研究発表会要旨集
  • 篠原 慶規
  • ,
  • 小松 光
  • ,
  • 鶴田 健二
  • ,
  • 野方 麻里
  • ,
  • 大槻 恭一

27
開始ページ
100146
終了ページ
100146
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11520/jshwr.27.0_100146
出版者・発行元
水文・水資源学会

スギ人工林において,蒸発散の主要な構成要素である蒸散量と遮断蒸発量を観測し,間伐前後で比較を行った。  九州大学福岡演習林(福岡県糟屋郡篠栗町)の山の神サイトに,10 m×10 mの試験プロットを2か所設定し,それぞれ蒸散量と遮断蒸発量の観測に用いた。山の神サイトは,2010年の時点で,39年生のスギ人工林で覆われていた。蒸散量観測プロットにおける間伐前の立木密度は1100本 / ha,平均直径は28.9 cm,平均樹高は28.9 m,胸高断面積合計は28.9 m2 ha-1,葉面積指数は4.7であり,遮断蒸発量観測プロットもほぼ同様であった。本試験地では,2010年10月に間伐が行われ,本数,胸高断面積合計で約50%のスギが伐採された。蒸散量は,樹液流計測法を用いて観測した。遮断蒸発量は,林外で観測した降水量から林内で観測した樹冠通過雨量と樹幹流量を引くことで算出した。間伐後の蒸散量は間伐前の56%となった。 間伐後の遮断蒸発率は間伐前の57%となった。蒸散と遮断蒸発は,森林の蒸発散の主要な構成要素であることから,間伐は,蒸発散量を減少させ,水資源量を増加させる上で有効な手段であると考えられる。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11520/jshwr.27.0_100146
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005482059
ID情報
  • DOI : 10.11520/jshwr.27.0_100146
  • CiNii Articles ID : 130005482059

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