論文

査読有り
2021年11月

コロナ禍における高齢者のフレイルと社会参加活動の関連

第14回日本保健医療福祉連携教育学会学術集会
  • 宮本, 卓
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  • 後藤, 亮平
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  • 小曽根, 早知子
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  • 川田, 尚吾
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  • 横谷, 省治

開始ページ
51
終了ページ
51
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(研究会,シンポジウム資料等)

【目的】本研究の目的は,新型コロナウイルス感染症パンデミック下における高齢者のフレイルと社会参加活動状況が関連するかどうかを明らかにすることである.
【方法】研究デザインは自記式アンケートによる横断研究とした.2021年1月に茨城県北茨城市在住の65~84歳で要介護認定を受けていない3000人をランダムに抽出し,郵送でアンケート配布・回収した.アンケートの内容は,年齢,性別,同居家族の有無,就労状況,経済状況への満足度,社会的参加状況(2020年1月と2021年1月時点),また簡易フレイルインデックスであった.なお,2020年1月時点で社会参加していたものを解析対象とし,2021年1月時点で参加している者を「参加継続」,参加していない者を「参加中止」と定義した.分析方法は,簡易フレイルインデックスを用いて「フレイルの可能性あり群」と「プレ・フレイル群」の2群に分類して各変数を2群比較した後,ロジスティック回帰分析を行った.
【結果】1307人から回答が得られ,そのうち2020年1月時点で社会参加していた者は510人であった.平均年齢は73.3歳,女性が57.1%であった.また参加継続は43.7%であった.2群比較の結果,性別,経済状況の満足度,社会参加継続の有無に有意差がみられた.これらの変数に年齢を加えてロジスティック回帰分析を行った結果,女性(OR:2.04),経済状況に満足していない(OR:1.76),および社会参加中止(OR:2.46)が,フレイルの可能性があることに有意に関連していた.
【考察】パンデミック下において,高齢者が社会参加を中止することはフレイルのリスクを高める可能性がある.性差や経済状況の満足度を考慮しながらフレイルの予防策を検討していく必要がある.

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