Presentations

Jul 23, 2020

5つのステップを用いた Evidence Based Medicine( EBM)卒前教育の実践 第2報

第11回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
  • 片岡, 義裕
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  • 前野, 貴美
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  • 高屋敷, 明由美
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  • 横谷, 省治
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  • 阪本, 直人
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  • 春田, 淳志
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  • 小曽根, 早知子
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  • 吉本, 尚
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  • 山本, 由布
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  • 久野, 遥加
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  • 舛本, 祥一
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  • 稲葉, 崇
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  • 濱田, 修平
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  • 前野, 哲博

Event date
Jul 23, 2020 - Aug 31, 2020
Language
Japanese
Presentation type
Poster presentation
Organizer
日本プライマリ・ケア連合学会
Venue
日本 広島(オンライン)

【背景】筑波大学では、総合診療科での臨床実習の目標の一つとして「 EBMの手法を用いて臨床疑問を解決することができる」を掲げ、2017年10月から EBM演習を導入しており、その内容や学生の反応について2018年の本学会学術大会で発表した。
【これまでの課題】この演習では、 EBMの5つのステップを1週間で経験することをねらいとしていたが、本演習を担当した教員から、臨床疑問の定式化について学生に指導する際の指針が欲しい(課題1)、また臨床適用について学生が患者の状況を踏まえて考えることが難しい(課題2)という点が課題として挙げられた。
【課題の改善策】課題1については、疑問の種類(診断、治療、予後)に応じた PICOあるいは PECOの7つの型を担当教員に伝えて、学生が感じた疑問をどの型に当てはめればよいか判断しやすいようにした。課題2については、「調べた情報(エビデンス)を患者の治療や検査に生かすうえで、エビデンス以外に知っておくべきことは何か」という設問を演習の中に新たに作成することで、エビデンス以外の要素も加味して臨床決断することを学生が理解しやすいように工夫した。
【反応および展望】本演習を通して、学生から「 PICOによって疑問を定式化することで、情報が調べやすくなった」「研究によって『効果』の定義が異なることがわかった」といった反応があり、疑問の定式化(課題1)については理解しやすくなったと考えられた。一方、課題2については、「治療薬の副作用や費用を考慮すべき」という回答は散見されたものの、患者の好みや周囲の状況に関する記述は少なく、エビデンスの適用について学生が包括的に検討するためには、学生が患者のマネジメントに積極的にかかわる機会を増やすなど、さらに工夫が必要であると考えられた。