2019年4月 - 2022年3月
解剖生理学エビデンスに基づく下肢リンパ浮腫の画像機能評価と新たな手術戦略
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究は未だ不明が多いリンパ系の解剖学を明らかにし、それに基いたリンパシンチグラフィの検査方法と読影方法を確立させることで、リンパ浮腫に対する外科療法のエビデンスを確立させるものである。リンパ系の解剖はリンパ管とリンパ節のそれぞれの位置情報と双方の関係が重要になるが、申請者は新鮮遺体を用いて、短時間にリンパ管の走行情報収集する技術(ICG蛍光リンパ管造影法)とその機器を開発し、下肢リンパ管を走行的に独立した4つのグループ(PL,PM,AL,AMグループ)に分けることに成功した。それが大伏在静脈・小伏在静脈など皮静脈に強く関係することも明らかにしている。また、CTリンパ管造影法を発展させ、多数の遺体からリンパ管とリンパ節の関係性を下肢にて明らかにし、発表している。これによると下肢リンパ管の機能は鼠径部・膝下部リンパ節のうち3つが主に担っていることが明らかになった。次に、上肢リンパ管とリンパ節の関係を明らかにした。静脈との関係より上肢リンパ管は5つのグループに分けることに成功し、CTリンパ管造影より腋下・肘部リンパ節のうち主に3つのリンパ節が上肢リンパ系の機能を担っていることを明らかにしている。
次に、リンパ浮腫患者におけるリンパ管造影法・リンパシンチグラフィの変化を明らかにすべき解析を開始している。リンパ管の変化はリンパシンチグラフィの解像度では明らかにできなかったため、ICG蛍光リンパ管造影法でリンパ管の変化を明らかにすること、リンパ節の変化はリンパシンチグラフィで解析をしている。リンパ浮腫早期ではPLグループが、次にPMグループが障害され、次にAMグループ、最後にALグループが障害されることが分かった。
上記結果より、リンパシンチグラフィの際の注射部位を内果・外果・足背部外側中点の3カ所に決定できた。そのプロトコールにて現在シンチグラフィのデータを収集中である。
次に、リンパ浮腫患者におけるリンパ管造影法・リンパシンチグラフィの変化を明らかにすべき解析を開始している。リンパ管の変化はリンパシンチグラフィの解像度では明らかにできなかったため、ICG蛍光リンパ管造影法でリンパ管の変化を明らかにすること、リンパ節の変化はリンパシンチグラフィで解析をしている。リンパ浮腫早期ではPLグループが、次にPMグループが障害され、次にAMグループ、最後にALグループが障害されることが分かった。
上記結果より、リンパシンチグラフィの際の注射部位を内果・外果・足背部外側中点の3カ所に決定できた。そのプロトコールにて現在シンチグラフィのデータを収集中である。
- ID情報
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- 課題番号 : 19H03814
- 体系的課題番号 : JP19H03814