2019年3月
性加害行為のあった知的障害者の関係性獲得過程と再加害行為のない地域生活継続との関連について―性加害行為のあった知的障害当事者の主観的体験より―
福祉心理学研究
- 巻
- 16巻
- 号
- 1
- 開始ページ
- 33
- 終了ページ
- 43
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 日本福祉心理学会
性加害行為があった知的障害者が地域生活を継続する過程について、当事者の主観的体験から明らかにすることを目的とし、個別インタビュー調査を行った。その結果、当事者は性加害行為の回避に支援者と取り組むことで信頼関係を構築し、取り組んできた物は支援者とのつながりの象徴として回避行動の継続を支えていた。この回避の継続によって、当事者と支援者の関係性が家族的な親密なものへと深化するとともに、仕事が社会とのつながりをもたらしていた。さらにこの関係性は将来の希望となり回避行動継続を自発的なものとしていた、ということが示唆された。