MISC

2018年1月

【腸内細菌と臨床医学】NSAIDs/アスピリン起因性小腸傷害と腸内細菌

医歯薬出版(株) 医学のあゆみ
  • 灘谷 祐二
  • ,
  • 藤原 靖弘

264
1
開始ページ
59
終了ページ
64
記述言語
日本語
掲載種別
記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)

カプセル内視鏡やバルーン内視鏡の開発により、小腸の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)/アスピリン起因性小腸粘膜傷害の発生が高頻度であることが明らかとなった。NSAIDs/アスピリン起因性小腸粘膜傷害の形成過程で、腸内細菌、とくにグラム陰性菌が、Toll-like receptor 4を代表とする自然免疫を刺激し、それによって炎症が惹起されることが明らかとなっている。また、臨床的によく使用されている酸分泌抑制剤であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)の内服が小腸細菌叢(フローラ)のdysbiosisを誘起し、NSAIDs起因性小腸傷害を増悪させる可能性が示唆されている。現在、NSAIDs/アスピリン起因性小腸傷害治療薬として決まったものは存在しないが、治療薬候補としてプロバイオティクス、プレバイオティクスの機序をもつ薬剤があげられており、臨床研究や基礎研究でエビデンスを集積しているところである。(著者抄録)

リンク情報
URL
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ID情報
  • ISSN : 0039-2359

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