2019年12月
噴門形成術後のダンピング症状に対してミルクの粘度調整が有効であったCHARGE症候群の一症例
New Diet Therapy
- 巻
- 35
- 号
- 3
- 開始ページ
- 3
- 終了ページ
- 9
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本臨床栄養協会
症例は1歳4ヵ月男児で、CHARGE症候群に罹患しており、嚥下障害、食道裂孔ヘルニア、胃食道逆流のため、生後4ヵ月時に胃瘻造設、噴門形成術が施行された。1歳3ヵ月時に呼吸器感染により当院に入院となり、胃瘻からミルク(濃度14.7%)200mL×5回を各1時間で注入して栄養管理を行っていた。しかし、感染改善後も活気が乏しく、ミルク注入30分後に簡易血糖測定器を用いて血糖測定を行ったところ、2時間後に血糖値118mg/dLとなり、後期ダンピング症候群と診断された。治療方針として、増粘剤を用いてミルクの粘度調整を行い、血糖コントロールすることとした。ミルク200mLに対してトロミ調整食品「トロミスマイル」1.2g(容量比0.6%)を用いて粘度調整を行い、ポンプを用いて1時間で注入したところ、30分後の血糖値は200mg/dLとなった。さらにトロミスマイル1.4g(容量比0.7%)に増量し、その後5日間の各注入30分後の血糖値は中央値108mg/dLで安定して経過した。
- ID情報
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- ISSN : 0910-7258
- 医中誌Web ID : 2020103344