2019年9月22日
詐欺罪と窃盗罪の区別について -キャッシュカードすり替え事例を素材に-
第6回刑事法合同研究会
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 口頭発表(一般)
- 開催地
- 首都大学東京晴海キャンパス
近時、架け子が警察官を装って詐欺の被害に遭っていると騙し、受け子が、被害者に対してキャッシュカードを証拠品として保管する必要があると嘘を言い、被害者に自己のカードを封筒に入れさせ、割り印が必要だと言って被害者が印鑑を取りに行っている隙にダミーのカードの入った封筒とすり替える事例(キャッシュカードすり替え事例)が横行している。本報告では、当該事例を素材に、詐欺罪と窃盗罪の区別(交付行為の有無)、両罪の構成要件的符合、詐欺罪との比較における窃盗罪の実行の着手時期について論じた。