菅原 邦生

私の研究室は、日本都市史、日本建築史、日本民家史を専門に、以下の4点を中心に研究を行っています。①自然環境に配慮した暮らしと住まいのかたちについて、雪国の防雪通路として知られる町家前面の連続庇(雁木・小見世等)\に着目し、その形成と衰退について都市史・民家史・住環境史の視点から研究しています。さらに全国的な残存状況を調査し、シンポジウムの開催などを通して、保全と継承に向けた啓蒙活動を行っています。次に②地域環境を史的に分析する立場から、開港場における都市の近代化について、港町新潟に着目し、街路・堀・河岸地など、人々が自由に行き来できる公共的なスペースについて、都市史の観点から研究を進め、その成果を市民向けの公開講座で報告しています。③さらに近世町家の室内意匠について、住居史・色彩史の観点から、格式表現としての意匠と彩色について研究しています。最後に④製図彩色について、明治期の関係出版物の分析を通して、その史的展開を研究しています。以上の成果を踏まえ、短大部では住まいとインテリア、カラーデザインに関する科目を担当し、研究成果を講義に活かしています。