2018年4月 - 2024年3月
文学テクストによる論理的想像力の涵養ー英語教育の転換を図るための基礎研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
引き続きコロナ禍の影響を受け、当初の計画通りには行かない部分もあったが、試行授業についてはほぼ予定通りに実施することができた。工藤は、オンライン授業であったため、授業内活動をモニターできるような環境を整えた上で、事前課題として短編小説とそれに関する推論発問(ワークシート)を与え、授業では学生に課題小説についてディスカッションさせた。その後、回収したワークシートとディスカッションの模様を分析し、考察した結果について、JACET文学教育研究会で口頭発表を行なった。そして、これを敷衍する形で杉村と共同で学術論文としてまとめ上げた。杉村は600 wordsほどの短い物語を数回に分け、翻訳させる授業を実施し、産出された翻訳文を分析することで、学生は文脈を構築しつつ、どのように物語の場面を想像しているのかについて考察した。この結果はまだ草稿の段階にあり、次年度に学術論文としてまとめる予定にしている。さらに、杉村は本研究課題の要となる「論理的想像力」を定義するために、想像力や思考力に関する文献渉猟を行ない、仮説として立てていた定義に理論的な枠組みを付与し、上述の発表済みの学術論文に著した。南津はオンライン授業にて英日語間の映像翻訳を行ない、極めて厳しい字数制限における字幕編集にて必要となる「言いかえ」に着目した。特に、事象を把握した上で視点の変更を伴う語用論的な言いかえを促す方法を分析し、杉村とともに日本メディア英語学会の年次大会にて発表した。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K00397
- 体系的課題番号 : JP18K00397
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
Media, English and communication : a journal of the Japan Association for Media English Studies (10) 47-60 2020年 査読有り筆頭著者