その他

1996年4月 - 1996年4月

情報表現の自己組織化と学習デバイス


入力の時空間的な構造を学習する海馬の短期記憶の学習モデルの学習特性を詳しく解析し,
さらにそれを,連続な時間構造が取り入れられるアナログ集積回路技術で集積回路化し,その応用の可能性を
探求した.ここで,連続時間を扱うために,CR 回路の動作時定数を利用したニューロン回路を提案した.こ
の回路の連続な内部状態の時間履歴は,リークのあるキャパシタにより指数関数的に減衰する.この内部状態
と入力パルスとの関係により学習が行われるが,その際,シナプス結合重みを随時更新する必要がある.そこ
で,小さな回路構成でアナログ値が記憶できるアナログメモリを開発した.これらの回路技術を用いることに
より120 個のニューロンからなる時空間学習ネットワークを構築した.その結果,入力の時空間構造に依存
した学習がハードウェアで高速に実現できた.