研究ブログ

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『今を生きる only on earth』(2023年9月2日 俳優座劇場)

マチネ(15時)とソワレ(18時30分)があり、マチネに行きました。主催はS.I.Tダンススタジオ、石川須妹子・田中いづみダンスアカデミー、後援は一般社団法人現代舞踊協会、協力は俳優座劇場。

1983年から始まった自主公演も19回目となり、今回は「地球上の誰もが危惧している地球の在り方、自然の尊さを私なりの切り口で造った作品」(田中いづみ)の再演でした。

『青い魚たち』は2000年が初演の作品で、海に生きるものたちの営みを多彩な動きで表現したものでした。『wistful tree』は斬新な内容で、多様な舞踊世界で活動する踊り手たちのコラボで、衣装も興味深いものでした。私は韓国舞踊を専門としているので、今回の舞台では韓国舞踊家の動きに目が行きました。韓国伝統舞踊の佇まいを感じさせながらも、周囲の異なる空気感を持つ舞踊家たちと混然一体となる舞台だと思いました。

 

 

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渋谷区立松濤美術館の『ボーダレス・ドールズ』で、踊る人形などを見ました。

 この展示を見て、人形というものも実に奥深いものだと思いました。私は舞踊学の研究者なので、踊る人形が印象的でした。厳密に言えば、踊っている姿を人形にしたもので、人形自体が躍るわけではありません。

 それから「紀元二千六百年奉祝」のために制作された『騎馬戦』(高浜かの子)という作品を見て、私の研究対象である韓成俊(ハン・ソンジュン)を思い出しました。この年に「奉祝」のために催された舞踊公演(日比谷公会堂など)があるからです。

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韓国伝統舞踊などに興味のある皆さんにお勧めのサイト紹介

1【扇の舞】と【ソゴ舞】

https://www.youtube.com/watch?v=y3IFXBxIqJM

 

2017/01/30投稿
東京国際映画祭の一環としてのアジア太平洋大学生映画祭オープニング・イベント:日本大学芸術学部江古田キャンパス屋外特設会場
45分間のステージのうち冒頭部分(韓国舞踊)

2016年10月27日(木曜日)
東京都練馬区旭丘の日本大学芸術学部江古田キャンパス:中庭特設ステージ

和太鼓演奏:南雲成 他2名
創作部用:『藤娘~飛龍whaaoo』:林 杏、小野ひとみ
オープニング映像:応募作品のフラッシュ~映画祭ロゴ
オープニング・トーク:         ハリー杉山、白壁里沙子
オープニング・スピーチ:名誉組織委員長(大塚吉兵衛 日本大学学長)
            組織委員長   (野田 慶人 日本大学芸術学部長)
            組織副委員長  (xiang CAI 中国伝媒体大学副学長)
実行委員檀上紹介   実行委員   (Yong ZHO 中国伝媒体大学芸術副学部長)
           実行委員   (Guanping WU 北京電影学院映画学部長)
           実行委員     (Choong-Jik LEE 韓国中央大学
           高度イメージング科学・メディア・映画大学院学部長)
審査員紹介      日本審査員(崔洋一 映画監督・脚本家・

                                                                           日本映画監督協 会理事長)
           日本審査員(寺脇研 映画評論家・元文部省官僚)
           日本審査員(小山薫堂 放送作家・脚本家)
           中国審査員(Xingguo LI教授

                                                      伝媒体大学芸術学部教授委員会主席)
          韓国審査員(Hae-sung Song 映画監督・脚本家)
代表挨拶      崔 洋一 審査委員長
協賛紹介      スクリーンで協賛社の紹介
開会宣言      司会者2人による開会宣言
パフォーマンス      ①韓国舞踊:蔡美京『扇の舞』、辛錦玉『ソゴ舞』
             ②中国『双人変面』:双劉舎(劉 東風、劉 妍)
             ③日本・ミニミニコンサート:大原櫻子
エンディング・トーク   司会者とパフォーマンス出演者

 

2 リサーチマップ 蔡美京

https://researchmap.jp/7483

 

3  駐日大韓民国大使館文化院図書映像資料室

四谷三丁目駅から徒歩5分ぐらいの所にある韓国文化院の3階。

書籍の他に韓国映画・ドラマを視聴できるブースもあります。

https://www.koreanculture.jp/library.php

 

4 【講座】現代韓国のK-POPに見られる伝統芸能の要素

  

発表者:蔡美京(東京外国語大学 非常勤講師、

        明治大学アジア太平洋

        パフォーミング・アーツ研究所客員研究員)

  

 2023年5月20日(土)16:00〜17:00

無料(申込不要)

明治大学駿河台キャンパス リバティータワー7階 1074教室

司会:森田ゆい(東京立正短期大学准教授 明治大学兼任講師)

コメンテーター:今西ひとみ(帝京科学大学教授 むすびの会理事)

発表者紹介:波照間永子(明治大学教授)

主催:日本伝統芸能教育普及協会 むすびの会

 

https://ww.musubinokai.org/schedule2023.html

 

 5 韓国国立舞踊団の基本動作レッスン動画

足踏み動作の基本レッスンです。毎日、少しずつ見ると上達するでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=LDDMMPIISfA

6 manabinoshiro1@gmail.com

 

 

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【道は必ずどこかに続く】(日野原重明)

1970年3月31日、羽田空港から福岡に向けて離陸した日本航空351便が

ハイジャックされました。「よど号事件」です。

 その時、長期戦になると覚悟した犯人が「本を読みたい者はいるか」と

人質に尋ねたそうです。そして、持参した本の書名を言い始めたのですが、

その飛行機に乗り合わせていたのが日野原重明さんは『カラマーゾフの兄弟』を希望し、読み始めたのです。

 本の扉に「一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。しかし、もし死んだなら、豊かに実を結ぶようになる。」これは『ヨハネによる福音書』の一節でした。

 これで救われたような気持ちになった日野原さんは、生還出来たら「生かされたいのち」をどう使うか考えようとしたそうです。

 医師である日野原さんは後に、聖路加病院で地下鉄サリン事件の被害者を救うのですが、この病院は日野原先生のお考えで、いざという時は待合室から礼拝堂まで、すぐに病棟にできるように配管などをしていたそうです。そして、勿論、定期的な訓練をしていたと聞きます。

 

 

 

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梅若玄祥(うめわかげんしょう)と美内すずえ(みうちすずえ)のスペシャル対談

『ガラスの仮面』24「ふたりの阿古夜」所収の対談です『ガラスの仮面』の著者と、それを新作能にした能楽師(観世流シテ方)が語り合うのですが、なかなか興味深い内容です。

 そもそも、美内すずえさんが『ガラスの仮面』を長く描いていて、「登場人物と一緒に自分も演劇の勉強をしていこう」と考えて、パントマイム、バレエ、オペラ、能と色々観ているうちに『空海』に出会ったそうです。それで【梅若先生のファン】になり、能に詳しい知人と『紅天女』を能でやったらどうだろうかという話になり、梅若先生にお願いすることという流れだそうです。

 『ガラスの仮面』は演劇の世界を描いているので劇中劇が沢山出てきます。シェイクスピアから美内オリジナルまで多彩な作品が登場するのは圧巻ですが、作者は大変だろうなと思います。『紅天女』は、南北朝時代を舞台にした作品で、主役である紅天女を演じたことがあるのは月影千草だけで、その後継者に誰がなるのかというのが『ガラスの仮面』のストーリーです。

 

 『紅天女』を目指す対照的なライバルである北島マヤと姫川亜弓を軸に多彩な顔触れが登場します。ある場面を見て、何を思うかは、個々の読者により異なります。亜弓が舞台人としての情熱を体現し、マヤと対峙すると宣言する時、手にするティー・カップ。勿論、クイーン・メリーなのですが、スコットランドの女王を想起させます。それを亜弓が知っているのかどうか、本作品の中で語られるかどうかは、読んでのお楽しみ。

 余談ですが、先日、この女王の暗号が解読されたと報じられました。立場上、公になっては困る内容が記されていたようです。

 

 ちなみに、この作品で異彩を放つのは、常に姓のみで登場する「大都芸能社長秘書」の女性と、名でしか呼ばれない「月影千草の付き人」の男性。

美内すずえ   2010-01
 

 

 

新作能『紅天女』の世界 ガラスの仮面より
氷川まりこ   2006-02
能は21世紀のエンターテインメント!「ガラスの仮面」から生まれた新作能をわかりやすく徹底解説!この1冊で能を観る基本がすべてわかります。

 

 
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『朝鮮紀行』(イザベラ・バード)

 副題は「英国婦人が見た李朝末期」で、当時の朝鮮の様子を知るのに役立つ実に貴重な労作です。

 私が驚いたのは、詳細な数値、微細な描写です。瞠目したのは、国王夫妻との晩餐内容まで詳細に書かれていと所です。ワインも「フランス・ワイン」でなく「ボルドー産ワイン」と書かれていましたし。

 それから、私が今日、お茶の水女子大学公開講演で「白衣民族」について話したのですが、時間の関係で、本書に書かれている当時の朝鮮人が川で洗濯する場面を紹介することが出来なかったのが残念です。

 本書の著者が旅行の準備をする際に詳細な現地情報を提供したのは、やはり伝道歴のある人々だろうと想像していましたが、やはりそうでした。宣教師たちの報告書や日記などが私の舞踊研究に役立つ日が来るかも知れません。

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30周年記念 朱明会大会(国立能楽堂)

 今日は、千駄ヶ谷の国立能楽堂で、『30周年記念 朱明会大会』の「道成寺」を鑑賞しました。能は久しぶりで、舞台も客席もロビーも素晴らしいものでした。このようなことを30年も続けているのは本当にすごいことだと思いました。

 なお、シテは重要無形文化財保持者(総合認定)観世流の馬野正基(うまのまさき)さんで、緊迫感のある「道成寺」を堪能すことが出来ました。

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柳宗悦と朝鮮の工芸(日本民藝館)

 目黒区駒場にある日本民藝館は、稀有な審美眼を持つ柳宗悦により創設され、秀逸な収蔵品で知られますが、西館は東京都指定文化財となっています。その母屋は柳自身が設計したのだそうです。

 「朝鮮とその藝術」刊行100周年行事として『柳宗悦』の心と眼』という展示が四谷の韓国文化院ギャラリーで開催されていました。その期間中に韓国の国外所在文化財財団助成による研究成果を発表するシンポジウムが2022年9月17日に駐日大韓民国大使館文化院ハンマダンホームで開催されたそうです。

 私は、今日、色々なものを見ましたが、白磁の非対称の美に魅せられました。11月21日にお茶の水女子大学で公開講座を担当するのですが、そのテーマが「白が表象するもの」なので、とても興味深く、鑑賞することができました。

 
 
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『ようこそ 伝統芸能の世界』(森田 ゆい)

 副題は「伝承者に聞く技と心」でDVDがついています。私の専門分野は韓国宮中舞踊ですが、日本の伝統芸能にも触れてみたいと考えていたところで出会った本です。

 あとがきに、筆者の原体験として、四世井上八千代の地唄舞(京舞)が出てきますが、井上流と言えば、祇園甲部で、実は、韓国宮中舞踊を継承してきた国立國楽院の前身といえる李王職雅楽部とも御縁があるのです。詳細は『李王職雅楽部の日本公演(一九二四年)が意味するもの--「都をどり」との関わりから』(山本華子)https://cir.nii.ac.jp/crid/1520853833616552064 を御覧いただければと思います。

 さて、本書は、能から琉球舞踊まで、幅広い分野の伝承者にインタビューをして、興味深い言葉を引き出し、さらに実演と実験・観察を行い、結果を数値化しているもので、中高生から研究者まで多くの人々にお勧めだと思いました。

 身体表現は言語化したり、数値化したりするのは容易ではありませんが、それを試みることは、可能です。私も、韓国で、多くの継承者に聞き取り調査をしていますが、言語化の難しさを思い知らされることもあれば、言語化できた喜びも味わいました。

 
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『能楽の源流を東アジアに問う』(野村伸一・竹内光浩・保立道久 編)

 免疫学者で新作能を手掛けた多田富雄の作品の中に『望恨歌』というものがあり、それは百済の歌に淵源があるのだそうです。多田さんは、創作のため、パンソリを見ると決め、韓国に行ったそうです。

 百済の時代と言えば、1000年以上前です。そのころ、生まれ、歌い継がれた歌が多田富雄という免疫学者にして新作能作家の手で「能」として作品化されたことを軸に、本書は書かれています。東アジア芸能史の貴重な1ページに触れることが出来たと思います。

 

 
 
 
 
 
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