共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

東南アジア大陸部の上座部仏教僧伽における「民族宗派」の全体像把握に向けた研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K20545
体系的課題番号
JP19K20545
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

本研究の目的は、上座部仏教徒社会における固有の言語や文字を基礎とした「民族宗派」の実態を明らかにすることである。
今年度も引き続きコロナ禍の影響により海外での実地調査を行うことができず、残念ながら調査は計画どおり進まなかった。
一方、本年度は、研究者6名による共著として『東南アジア上座部仏教への招待』を執筆し刊行した。これは7つの国・地域の上座部仏教徒社会をとりあげた概要書であるが、ほかの地域を専門とする研究者との共同執筆作業のなかで、本研究が注目する民族と仏教の関係についても、とくに国や地域ごとの差異と共通性に焦点をあてながら、整理し意見交換することができた。なお同著において、私は上座部仏教徒社会の概要をまとめた第1章、タイ仏教の章、ミャンマー仏教の章などの執筆を担当した。
また、この共同執筆作業の成果の一部として、仏教語彙(比丘、戒壇、持戒日など)の対照表を作成し、上記の共著書に収録することができた。例えば共通のパーリまたはサンスクリット語彙を起源としながらも、カンボジア語、タイ語、ラオ語、徳宏タイ語、ミャンマー語、モン語の6つの言語においてそれぞれ異なる音で発声される様を表にまとめて提示した。概要書のため収録できた語彙は18語にとどまるが、上座部仏教徒社会を対象とした仏教語彙をめぐる現地語の対照表作成はこれまで行われてこなかった新たな試みであり、差異と共通性の双方に目を向けた仏教語彙の比較研究につながる一歩となった。なお、この語彙表は個人の実績ではなく4名の共著者による共同成果である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K20545
ID情報
  • 課題番号 : 19K20545
  • 体系的課題番号 : JP19K20545

この研究課題の成果一覧

論文

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