共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

臨床ビッグデータを活用した新規抗てんかん作用の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
17K17922
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

現代においてもてんかんは、患者の約20%は複数の抗てんかん薬を服用しても治療コントロールが困難な難治性てんかんであり、新規抗てんかん薬の開発が望まれている。しかし、「難治性てんかん」の病態メカニズムおよび確実な治療法は未だ明らかにされておらず、基礎研究および臨床研究を取り入れた科学的根拠に基づく薬物治療法を確立することが喫緊の課題である。本研究では、データーベース解析から見いだされた、ドラッグリポジショニングによる新規抗てんかん薬の候補薬剤を主に動物実験による基礎実験で評価し、新規抗てんかん薬の開発および難治性てんかんの病態を解明する。
データーベース解析により見いだされた、新規抗てんかん薬候補をてんかんの実験モデル動物を作成し、そのモデル動物に投与し、候補薬物の抗てんかん作用の検討を昨年度より引き続き行っている。抗てんかん作用を評価するため、既存薬の抗てんかん薬も投与しながら比較検討を行っている。数種類の抗てんかん薬と併用実験を行った結果、特定の抗てんかん薬との併用により用量依存性の抗てんかん作用が確認され、抗てんかん作用の相加作用がみとめられた。次に候補薬の抗てんかん作用を別の観点で評価を行うため、てんかんモデルを用いて単剤投与または抗てんかん薬の併用投与を行い、脳波を指標として抗てんかん作用を評価した。脳波の評価も行うことで抗てんかん作用として考えられる作用機序が検討できうると考えられる。今後は、てんかんモデル動物のてんかんによって生ずる症状について、行動薬理学的に解析を行い、抗てんかん作用の特徴を明らかにしていく予定である。また、作用機序を明らかにするため、てんかんモデルに対する免疫染色などの検討を現在実施中である。

ID情報
  • 課題番号 : 17K17922