共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2021年3月

世界の沈み込み帯における低速&高速地震のダイナミクスの解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
16H02219
体系的課題番号
JP16H02219
配分額
(総額)
45,760,000円
(直接経費)
35,200,000円
(間接経費)
10,560,000円

メキシコ、チリ、台湾、ニュージーランド、カナダ、米国など様々な地域の地震データを収集分析し、ゆっくり地震の比較研究を進めた。世界の群発地震について開発した検出システムを東北沖の限られた領域に適用し、群発地震活動が一定の予測可能性を持つことを明らかにした。すべり速度弱化とすべり速度強化の2つの性質からなる単純な数理モデルによって、前震や余震の活動の定量的特徴が説明できることを明らかにした。これまでに開発してきた確率微分方程式によるブラウン運動ゆっくり地震モデルの2次元拡張を行った。2次元の確率的セルオートマトンによって、数学的には1次元の確率微分方程式のモデルとほぼ等価なモデルが作成できることを示した。これにより、時間空間的なゆっくり地震の比較研究が可能になる。
ゆっくり地震の脆性塑性不均質断層モデルを連続弾性体内に配置した系において、脆性パッチの空間分布と滑り弱化パラメタの依存性を系統的に調べた。その結果、ゆっくり地震の発生様式がマイグレーションを起こす場合と起こさない場合に二分されることが分かった。O(N logN)コストの破壊伝播シミュレーション手法であるFDP=H-matricesを用いて、動力学を考慮した順問題を多数解くことによって断層摩擦特性を逆問題的に求める手法について検討した。
地球回転運動の一つの様式である極運動が、プレート境界に及ぼす応力変化を見積もる手法を開発し、ゆっくり地震の発生と大気圧・海底圧力・極運動等の外力による応力変化との相関を調べる際に、年周変化の帯域では極運動の影響が無視できないことを示した。また、上記の外力に対する固体地球の変形を、弾性構造の不均質性を考慮する手法を開発し、予備的な計算を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16H02219
ID情報
  • 課題番号 : 16H02219
  • 体系的課題番号 : JP16H02219