2019年10月
下咽頭癌右傍気管リンパ節転移による気管授動術後に嚥下障害を呈した一例の訓練経過
福岡歯科大学学会雑誌
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- 巻
- 45
- 号
- 3
- 開始ページ
- 85
- 終了ページ
- 90
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 福岡歯科大学学会
症例は63歳女性で、左下咽頭癌のため化学放射線療法が施行された。その3年10ヵ月後、右傍気管リンパ節転移が明らかとなり、右傍気管リンパ節摘出術、気管輪状切除術、気管授動術が施行された。術後28日目に嚥下訓練目的で当院入院となり、間接的嚥下訓練として嚥下器官の基礎運動・筋力増強訓練、蕎麦啜り様訓練、発声訓練、チューブ発声法、前舌保持嚥下法、頸部マッサージ、舌骨や喉頭の他動運動を実施した。術後44日目に全粥、ペースト食となり、術後49日目の嚥下造影検査では液体、とろみ水、ゼリー、全粥いずれの形態でも誤嚥はみられず、液体のみ喉頭侵入を認めた。当院入院時と退院前の嚥下動態を比較したところ、「梨状窩通達〜咽頭通過までの時間」、「食道入口部最大開口量」、「喉頭挙上度」で有意な短縮がみられた。
- ID情報
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- ISSN : 0385-0064
- 医中誌Web ID : 2020103843