2010年3月
比較的長期間寛解を維持している高齢者CD5陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の1例
倉敷中央病院年報
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- 巻
- 72
- 号
- 開始ページ
- 163
- 終了ページ
- 168
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (公財)大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院
症例は87歳男性.比較的急速に増大する右肘窩・右上腕の腫瘤を主訴に来院.生検の結果CD5陽性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B cell lymphoma,以下DLBCL)であることが判明し,rituximab併用減量THP-COP療法(pirarubicin,cyclophosphamide,vincristin,prednisolone)を行った.治療開始後腫瘤は縮小した.治療開始1ヵ月後に退院となり,その後外来にて計8コース行った.治療開始から現在まで1年5ヵ月の間,完全寛解を維持している.表面抗原CD5は汎T細胞抗原の1つであるが,B細胞リンパ腫であるDLBCLの5-10%で陽性となることが知られている.CD5陽性DLBCLとCD5陰性のDLBCLを比較すると,CD5陽性のDLBCLは予後が悪いことが報告されている.予後の差が生じる理由については今後も更なる検討が必要である.今回87歳という高齢で,抗体療法と高齢者用に減量されたCHOP様化学療法であるrituximab併用減量THP-COP療法で寛解を維持しているCD5陽性DLBCLの1例を経験したので報告する.(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0368-4954
- 医中誌Web ID : 2010258405