フェリ磁性ガーネット$R_3$Fe$_5$O$_{12}$($R$=希土類)の角運動量補償温度の制御
日本物理学会2018年秋季大会(物性)
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- 開催年月日
- 2018年9月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 京田辺
- 国・地域
- 日本
一部のフェリ磁性体は正味の磁化がゼロになる磁気補償温度$T_{\rm M}$をもつ。さらに、副格子を構成するイオン上の電子の$g$因子が異なる場合、正味の角運動量がゼロになる角運動量補償温度$T_{\rm A}$をもつ。我々はバーネット効果を用いて$T_{\rm A}$を観測した。バーネット効果は角運動量$J$と回転$\Omega$の結合により磁化$M_{\Omega}$が生じる現象である。磁気補償温度では磁化が0のため$M_{\Omega}=0$となり、角運動量が0のときはバーネット効果が働かなくなるためやはり$M_{\Omega}=0$となる。磁場を用いた通常の磁化測定と比較することで低温側で0を横切る温度が$T_{\rm M}$、高温側が$T_{\rm A}$であると決定された。フェリ磁性体ガーネット$R_3$Fe$_5$O$_{12}$($R$=希土類)はFe$^{3+}$のスピンと$R^{3+}$が反強磁性的に結合しており、全角運動量$J$や$g$因子が異なる希土類イオンが入ることで、$T_{\rm M}$や$T_{\rm A}$の変化が期待される。希土類の置換による$T_{\rm A}$の変化を報告する。