MISC

2006年3月

修正型ECTによるうつ病患者の処方内容の変化について

最新精神医学
  • 田近 亜蘭
  • ,
  • 柳生 隆視
  • ,
  • 織田 裕行
  • ,
  • 木下 利彦
  • ,
  • 西山 利正

11
2
開始ページ
173
終了ページ
179
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)世論時報社

薬物治療に抵抗を示す難治性うつ病患者に対し,エビデンスに基づかず経験的に向精神薬の多剤併用療法が行われる傾向が強く,その問題は以前から指摘されている.また,薬剤難治性のうつ病患者に対するElectroconvulsive therapy(ECT)の有効性は確立されている.我々は2002年1月から2003年10月までの22ヵ月間に関西医大病院精神神経科で入院治療を行った大うつ病患者41名のうち,ECTと薬物治療を併用した10名(ECT群)と,薬物治療のみを行った31名(薬物群)の入院時と退院時の処方内容の変化を,抗うつ薬,抗精神病薬,抗不安薬に分けて比較した.ECT群は抗うつ薬の種類と用量,抗精神病薬の種類と用量,抗不安薬の用量が減少し,退院時に抗うつ薬の併用症例はなくなっていた.またSelective Serotonin Reuptake Inhibitor(SSRI)単剤処方に置換していく傾向が見られた.薬物群ではこのような傾向は認められなかった.ECTは処方内容の単純化にも寄与していた(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1342-4300
  • 医中誌Web ID : 2006287298

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