2021年7月 - 2024年3月
遠隔転移治療に向けた革新的リンパ行性薬物送達法の創製
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓) 挑戦的研究(開拓)
本年度は革新的なリンパ行性薬剤送達法の開発を目的に, 以下の課題に取り組んだ.
(1)転移リンパ節の病理像に対するAI診断の開発
転移リンパ節をパラフィン切片にして, ヘマトキシリン・エオジン(HE)で染色されたスライドを作製した. つぎに, このスライドをバーチャルスライドに取り込み, 腫瘍領域のマーキングをおこなった. Pythonソースコードをもとに,特徴解析およびAI-Histologyの開発をおこなった.
(2)リンパ行性薬物送達法併用放射線治療
MXH10/Mo/lprリンパ節腫脹マウスの腸骨下リンパ節に腫瘍細胞を移植し, このリンパ節に対するリンパ行性薬物送達法併用全身放射線治療をおこなった. 腫瘍移植の過程で肺に転移巣が形成される. 線量としてSingleL-TBI (0.2 Gy × 1), Single M-TBI (1.0 Gy ×1), Fractionated M-TBI (1.0 Gy × 2)の3群を考えた. まず, 線量が1Gy以上の全身放射線照射 (Single L-TBI群およびFractionated M-TBI群)では肺転移を抑制できることができた. Fractionated M-TBI群ではSiLNにおいても腫瘍増殖が遅延した. 全身放射線照射によるSiLN, PALNおよび肺における治療効果はFractionated M-TBI > Single M-TBI > Single L-TBIの順であることが明らかとなった.つぎに抗がん剤としてシスプラチンを使用してLDDSとsingle M-TBI (1.0 Gy ×1)との併用実験を実施した. Single M-TBI + LDDSの併用療法は, LDDS単独と比較して, PALNにおける腫瘍の増殖を著しく遅延させた. Single M-TBI + LDDSの併用療法では肺における腫瘍増殖が認められず, 肺転移を抑制できることが明らかになった
(1)転移リンパ節の病理像に対するAI診断の開発
転移リンパ節をパラフィン切片にして, ヘマトキシリン・エオジン(HE)で染色されたスライドを作製した. つぎに, このスライドをバーチャルスライドに取り込み, 腫瘍領域のマーキングをおこなった. Pythonソースコードをもとに,特徴解析およびAI-Histologyの開発をおこなった.
(2)リンパ行性薬物送達法併用放射線治療
MXH10/Mo/lprリンパ節腫脹マウスの腸骨下リンパ節に腫瘍細胞を移植し, このリンパ節に対するリンパ行性薬物送達法併用全身放射線治療をおこなった. 腫瘍移植の過程で肺に転移巣が形成される. 線量としてSingleL-TBI (0.2 Gy × 1), Single M-TBI (1.0 Gy ×1), Fractionated M-TBI (1.0 Gy × 2)の3群を考えた. まず, 線量が1Gy以上の全身放射線照射 (Single L-TBI群およびFractionated M-TBI群)では肺転移を抑制できることができた. Fractionated M-TBI群ではSiLNにおいても腫瘍増殖が遅延した. 全身放射線照射によるSiLN, PALNおよび肺における治療効果はFractionated M-TBI > Single M-TBI > Single L-TBIの順であることが明らかとなった.つぎに抗がん剤としてシスプラチンを使用してLDDSとsingle M-TBI (1.0 Gy ×1)との併用実験を実施した. Single M-TBI + LDDSの併用療法は, LDDS単独と比較して, PALNにおける腫瘍の増殖を著しく遅延させた. Single M-TBI + LDDSの併用療法では肺における腫瘍増殖が認められず, 肺転移を抑制できることが明らかになった
- ID情報
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- 課題番号 : 21K18319
- 体系的課題番号 : JP21K18319