共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

運動ニューロン疾患における神経コミュニケーション異常の分子病態解明と治療法開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)
  • 勝野 雅央
  • ,
  • 橋詰 淳
  • ,
  • 井口 洋平
  • ,
  • 佐橋 健太郎

課題番号
17H04195
配分額
(総額)
16,770,000円
(直接経費)
12,900,000円
(間接経費)
3,870,000円

(1)運動ニューロン変性における細胞間コミュニケーション異常の分子機構解明
前年度の検討において、膵臓ベータ細胞においてTDP-43がCaチャンネル(Cacna1c)の発現調整を介してインスリンのexocytosisを制御していることが明らかとなったため、本年度はMIN6細胞を用いた電気生理学的検討と、マウス初代培養膵島を用いた解析を行った。その結果、whole-cell patch-clampでは、MIN6細胞でTDP-43をノックダウンするとcacna1cの発現抑制とともにCaの細胞内への流入が抑制されることが明らかとなった。Fura-2を用いたCaイメージングにおいても、TDP-43ノックダウンによりCaの細胞内流入が減少することが明らかとなった。また、TDP-43 Floxマウス初代培養膵島にAAV-RIP-Creを投与してTDP-43をノックアウトしたところ、Cacna1cの発現低下とともにグルコース負荷時のインスリン分泌が低下することが確認された。さらに、TDP-43 Floxマウス個体にAAV-RIP-Creを腹腔内投与して作成した膵ベータ細胞特異的TDP-43ノックアウトの膵臓を用いてグルコース還流実験を行ったところ、グルコース負荷によるインスリン分泌の低下がみられたことから、TDP-43によるインスリン分泌制御がin vivoでも再現されることが明らかになった。一方、TDP-43によるCacna1cの発現制御のメカニズムについては、TDP-43がCacna1c遺伝子のプロモーター領域に結合し、転写活性を制御すること、およびmRNAの代謝には影響を与えないことを明らかにした。
(2)神経活動による運動ニューロン・骨格筋システム変性の時空間的病態変化の解析
SOD1 G93AマウスとVAChT-Creマウス、および全身性にfloxed stop codonの下流でhM3Dqを発現するトランスジェニックマウスを交配して得た下位運動ニューロン特異的hM3Dq発現マウスの病理学的解析を行い、CNO投与により脊髄前角の運動ニューロンにおけるSOD1の不溶化が更新することが示された。