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2014年

「貧困家族であること」のリアリティ : 記述の実践に着目して

家族社会学研究 = Japanese journal of family sociology
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  • 知念 渉

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2
開始ページ
102
終了ページ
113
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.4234/jjoffamilysociology.26.102
出版者・発行元
日本家族社会学会

2000年代以降,「子ども・若者の貧困」に関する研究が数多く蓄積され,貧困家族を生きる子ども・若者たちの生活上の困難を明らかにしてきた.しかし,山田 (2005)が指摘するように,現代社会を生きる人々にとって,家族とは,生活に役に立つ/立たないという観点から理解できる「機能的欲求」には還元できない,自分の存在意義を確認する「アイデンティティ欲求」を満たす関係にもなっている.このような観点に立てば,従来の「子ども・若者の貧困」研究は,アイデンティティ欲求の次元における「家族であること」のリアリティを相対的に看過してきたと言えよう.そこで本稿では,「記述の実践としての家族」という視点から,文脈や状況に応じて流動する若者と筆者の間に交わされた会話を分析し,アイデンティティ欲求の次元における「貧困家族であること」のリアリティを明らかにした.そして,そのリアリティが,流動的で,相対的で,多元的であることを指摘し,その知見がもつ政策的示唆について考察した.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.4234/jjoffamilysociology.26.102
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/40020275817
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10092691
ID情報
  • DOI : 10.4234/jjoffamilysociology.26.102
  • ISSN : 0916-328X
  • CiNii Articles ID : 40020275817
  • CiNii Books ID : AN10092691
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000272254370

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