共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2021年3月

状態遷移列からの関係ダイナミクス学習

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
17H00763
体系的課題番号
JP17H00763
配分額
(総額)
43,160,000円
(直接経費)
33,200,000円
(間接経費)
9,960,000円

本研究では、時間的に変化する系の関係ダイナミクスを状態遷移列の観測から学習するために、(1)関係ダイナミクス学習理論の構築、(2)スケーラブルな関係ダイナミクス学習方式の開発、(3)ダイナミック環境におけるチャレンジ問題への適用、のサブテーマを設定している。平成30年度は前年度の研究成果を基に、各サブテーマの成果を相互に適用・フィードバックさせながら研究を進めた。
(1)関係ダイナミクス学習のために提案している「解釈遷移からの学習(LFIT)」の枠組みを発展させ、同期式・非同期式・一般化方式の各更新方式による遷移規則学習を同じ枠組みで扱えるようにした。また議論やディベートのように動的に主張が展開される場面において、ある論拠がなぜ正しいと考えられるのかをアブダクティブに説明する枠組を導入し、論理プログラムを使って計算する方法を示した。
(2)論理計算に基づく学習とニューラルネットワークを用いた学習の2種類のLFIT学習方式のうち、前者で代数演算への変換に基づく計算方式を検討し、後者で遅延を扱うためにリカレントニューラルネットワークを適用した。また論理プログラムの線形代数計算において部分計算の手法を導入し評価実験を行った。
(3)関係ダイナミクス学習の応用として、生体ネットワーク学習、行動規則学習、チーム形成問題・提携構造形成問題(CSG)・信念翻意ゲーム(BRG)における学習に取り組むとともに、ダイナミック環境で問題が変化した際にレジリエンスを担保できる枠組みについて検討した。具体的には、ナース・スケジューリング問題に対してレジリエンスの解概念を導入し、時間割問題やスポーツ・スケジューリングの解法にも取り組んだ。さらに信念翻意が起こった前後状態を入力とし、どのような情報が新たにもたらされたために翻意が起きたかを推定する方法について検討した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H00763
ID情報
  • 課題番号 : 17H00763
  • 体系的課題番号 : JP17H00763