2018年4月 - 2022年3月
テンソル空間における巨大知識グラフのための高次推論技術の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究の目的は、人工知能における高次推論を知識グラフのような巨大知識ベースにおいて実現するための新しい計算手法を導入することである。研究初年度である2018年度は、(1)テンソル空間における演繹とデフォルト推論の形式化と実装実験、(2)知識グラフにおけるアブダクションの線形代数的計算の形式化と実装実験、(3)スペクトル分解に基づく高速な線形代数的推論計算の開発、の3つのサブテーマを設定し研究活動を行った。具体的な成果は下記の通りである。
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(1)論理推論をテンソル空間で計算するために、論理プログラムを2次元ベクトル空間で表現し、プログラムからの演繹推論を線形代数計算で実現する手法を開発した。また、計算高速化のための部分計算の手法を導入し、従来手法との比較評価実験を行った。本研究の成果は人工知能および論理プログラミングに関する国際会議(MIWAIおよびASPOCP)で発表した。
②観測事象から説明を計算するために、線形空間で論理プログラムの2項関係に基づくアブダクションの手法を開発した。また、知識グラフなどの巨大知識ベース上で実現するための計算手法を導入し、ルール発見や関係の学習が行われることを実験により確認した。本研究の成果は人工知能国際会議(IJCAI)で発表した。
③テンソル空間における推論計算を高速化するために、テンソル分解法を量子化し知識グラフを低次元のバイナリベクトル空間へと埋め込む手法を開発した。また、本手法により低次元の線形空間で推論を行うモデルの省メモリ化、及び高速化が実現されることを確認した。本研究の成果は情報検索に関する国際会議(ECIR)で発表し、国内では言語処理学会第25回年次大会での優秀賞受賞の結果を得た。
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(1)論理推論をテンソル空間で計算するために、論理プログラムを2次元ベクトル空間で表現し、プログラムからの演繹推論を線形代数計算で実現する手法を開発した。また、計算高速化のための部分計算の手法を導入し、従来手法との比較評価実験を行った。本研究の成果は人工知能および論理プログラミングに関する国際会議(MIWAIおよびASPOCP)で発表した。
②観測事象から説明を計算するために、線形空間で論理プログラムの2項関係に基づくアブダクションの手法を開発した。また、知識グラフなどの巨大知識ベース上で実現するための計算手法を導入し、ルール発見や関係の学習が行われることを実験により確認した。本研究の成果は人工知能国際会議(IJCAI)で発表した。
③テンソル空間における推論計算を高速化するために、テンソル分解法を量子化し知識グラフを低次元のバイナリベクトル空間へと埋め込む手法を開発した。また、本手法により低次元の線形空間で推論を行うモデルの省メモリ化、及び高速化が実現されることを確認した。本研究の成果は情報検索に関する国際会議(ECIR)で発表し、国内では言語処理学会第25回年次大会での優秀賞受賞の結果を得た。
- ID情報
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- 課題番号 : 18H03288
- 体系的課題番号 : JP18H03288
この研究課題の成果一覧
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論文
3-
Annals of Mathematics and Artificial Intelligence 89(12) 1133-1153 2021年12月 査読有り筆頭著者
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IEEE 33rd International Conference on Tools with Artificial Intelligence (ICTAI) 240-247 2021年11月 査読有り
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Journal of Logic and Computation 31(5) 1298-1316 2021年3月 査読有り責任著者