MISC

2018年

教員養成課程学生対象「生きたアメンボ」を用いた実験後:~アメンボは何故浮くか?と生物教材の意義~

日本科学教育学会研究会研究報告
  • 原田 哲夫
  • ,
  • 高屋 聖卓
  • ,
  • 竹内 日登美
  • ,
  • 中城 満

32
8
開始ページ
15
終了ページ
18
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.14935/jsser.32.8_15
出版者・発行元
一般社団法人 日本科学教育学会

<p>小学校理科学習指導要領解説1 には, 「身の回りの生物と環境との関わり」など授業で生物 との関係が重視され,「メダカの解剖」授業は内部形態理解に有効である2。しかし, バーチャル化の進んだ現在の教員養成課程学生の「生きた教材」への意識は不明である。本研究では「生きたアメンボ」を使った簡単な実験の後, 「アメンボは何故浮くか?」や生きた生物教材への理解・意識調査を行った。 某国立大学教員養成課程実験(1 回生対象, 2011-2016, 518, 計女子225, 男子293)で, 「アメンボ(Aquarius paludum)の浮く水面に洗剤を1 滴落とすとどうなるのか?」をテーマに実験を行い, その後質問紙調査 を行った。 質問1: 洗剤滴下後のアメンボの反応; 質問2: アメンボが水面に浮ける理由, 質問3: 小学校授業での生物教材使用の是非とその理由。質問1 で, 100%の学生が「沈んだ」と答えたが, その様子を記述した女子の割合(65.3%)は男子 (54.4) より有意に高い傾向にあった(χ2-test: p=0.11)。質問2 で 81.8%の学生が「油を塗っている」と答えた(ビデオ解説済み)が、「表面張力で浮く」と答えた男子は19.7%おり、女子は12.8%だった(p=0.19)。質問3で「生きた生, 物教材」を98.0%の学生が是としたが, 1.0% が非とした(苦痛を与える)。是とした理由は「好奇心、」「環境学習効果」「原体験」「観察力」「いのちの教育」を増進する, であり, この記述数は年々減少した(p=0.007)。学習指導要領の影響もあってか,「生きた生物教材」使用肯定の約4 割が「生命について学ばせたい」と解答した。しかし, 教員養成課程の学生が教材の意義を具体的に(多様に)考えられなくなってきている危険性がある。</p>

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.14935/jsser.32.8_15
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130007402456
ID情報
  • DOI : 10.14935/jsser.32.8_15
  • CiNii Articles ID : 130007402456
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000396144154

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