2010年1月
原子力機構-東海タンデム加速器の現状
第22回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集
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- 日本語
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2008年度の東海タンデム加速器の運転,整備及び利用状況について報告する。2007年度に実施した長期整備(高経年化対策)の結果、加速器は安定に動作し、利用運転日数は211日(約5000時間)に回復した。一部の加速管に不具合があり、最高電圧は17MVであった。ビーム強度も長期整備時の再アライメントにより大幅に改善し従来の約2$\sim$3倍となった。利用されたイオン種は21元素(25核種)であった。高電圧端子内イオン源もRF系の復旧により所定の性能が発揮できるようになり、Ne$^{8+}$, Ar$^{12+}$, Kr$^{17+}$, Xe$^{22+}$の多価イオンビームが100pnA以上の強度で得られ、最高エネルギーはXe$^{30+}$の480MeVに達した。前期の定期整備では不調であったHE側加速管4本を交換した。後期の定期整備ではストリッパーフォイルの交換,高電圧端子内の静電Qレンズへのアパーチャー設置,SF$_{6}$絶縁ガスのリーク調査,制御系CAMACのDACの高分解能化を実施した。タンク開放を伴うトラブルとして、10月に高電圧端子内の冷却水ポンプモーターの故障、3月に発電用回転シャフトの軸受け部のベアリングの損傷が発生した。