共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年8月 - 2019年3月

減量前体脂肪率を指標としたアスリートの減量のためのエネルギー摂取目安量の確立

日本学術振興会  科学研究費助成事業 研究活動スタート支援  研究活動スタート支援

課題番号
17H07402
体系的課題番号
JP17H07402
配分額
(総額)
2,730,000円
(直接経費)
2,100,000円
(間接経費)
630,000円

一般的に体重1kgを減少させるために不足させるエネルギー量(エネルギー密度)は7,400~7,700kcalだと考えられ、減量のための栄養指導やトレーニング指導が行われている。この値は、脂肪組織の87%が脂質であり、体重が1kg減少するときには約87%が脂肪組織によって減少するという仮説や、75%が脂肪組織、25%が除脂肪組織によって減少するという仮説に基づいて推定されている。しかし、体脂肪量の少ない者では減量時に減少する体脂肪量が少ない傾向があることが報告されている。アスリートの減量前の体脂肪量は肥満者や過体重者よりも少なく、減量時に減少する脂肪組織の割合及び減量時のエネルギー密度が少ない可能性が考えられた。そこで本研究は、減量前の体脂肪量と減量時のエネルギー密度との関連について明らかにすることを目的とした。
29名のアスリート(男性 27名、女性2名)を対象に、減量前後の身体組成を二重エネルギーX線吸収法にて測定した。減量期間、及び減量幅は対象者の希望に従って設定した(減量期間:2~120日、減量幅:0.9~5.6kg)。減量によって減少した身体組成から、減量時のエネルギー密度を算出した。その結果、体重減少量に占める体脂肪量は14±16%、は 83±22%であった。減量時のエネルギー密度は2,150±1,354kcal/kg⊿体重だった。減量前の体脂肪率と減量時のエネルギー密度との間に有意な正の相関がみられた(r=0.368、p=0.05)。しかし、減量期間の影響を考慮すると、統計学的に有意な関係は認められなかった。以上の結果から、アスリートの減量時のエネルギー密度は、従来の7,400~7,700kcalとは異なることが明らかとなった。しかし、その値は減量前の体脂肪率と関係があるようにみえるが、減量期間が影響していると推測された。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-17H07402/17H07402seika.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H07402
ID情報
  • 課題番号 : 17H07402
  • 体系的課題番号 : JP17H07402