2012年11月
低圧条件における気泡直下伝熱面温度・熱流束分布計測
日本機械学会熱工学コンファレンス2012講演論文集
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- 開始ページ
- 383
- 終了ページ
- 384
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
沸騰熱伝達は、沸騰水型原子炉,熱交換器,ボイラー等の基幹技術としてこれまでに数多くの研究が行われてきたが、そのメカニズムについては解明されていない。そこで、著者は、沸騰熱伝達のメカニズム解明のための研究を行った。具体的には、共同陽極を持つ温度センサを伝熱面表面の極近傍の伝熱体内部に高密度に配置する技術を開発し、これと逆問題解析による伝熱面表面温度・熱流束評価手法を組合せることで、伝熱面表面温度・熱流束分布の高密度かつ高速度での計測を可能とする技術を開発した。これまでに、開発した技術を大気圧プール沸騰実験に適用し、沸騰気泡直下における伝熱面温度・熱流束を計測した。本研究は、1mmあたり最大6点の温度センサを伝熱面表面から深さ1.4$\mu$mの深さに配置した沸騰試験体を用いて、0.7から1気圧の圧力条件で沸騰実験を実施し、伝熱面直下に設置した各温度センサの計測温度に加え、高速度ビデオカメラにより沸騰気泡形状の画像を同期で取得した。取得したデータをもとに、沸騰熱伝達のメカニズムについて検討を行った。大気圧より低い圧力条件でも、沸騰熱伝達メカニズムは従来から提唱されているメカニズムの一つである三相界面伝熱モデルに近いことを実験的に明らかにした。