共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

セサモールによるアポトーシス誘導(抗がん作用)における構造活性相関の機能解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K05880
体系的課題番号
JP20K05880
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

機能性表示食品の概念が提出されて以来、世界的に健康食品が開発され、その利用度が高まっている健康機能性食品に注目した。特に、ゴマは古来より健康を増進する食品として広く親しまれてきており、最近、ゴマに含まれるゴマリグナン類は抗酸化作用など生理活性物質として注目されているが、科学的根拠に基づいた機能解明については不明な点が多い。ゴマリグナン類の中でもセサモールがK562細胞(ヒト慢性骨髄性白血病 / K562 )およびドキソルビシン薬剤耐性K562細胞 ( K562/DOX )に対して最も強いアポトーシス誘導(抗がん作用)を示しことを見つけた。更なるセサモールの機能解明の為に、セサモールによるアポトーシス誘導(抗がん作用)に構造活性相関があるかセサモール誘導体(S1, S2, S3)を合成し検討した。その結果、セサモール誘導体3(S3)はK562細胞あるいはK562/DOX細胞に対してアポトーシス誘導(抗がん作用)を示した。注目すべき点はK562/DOX細胞に対してもS3はセサモールよりも強いアポトーシス誘導(抗がん作用)を示した。アポトーシスが起こる際に確認できるタンパク質、PARPとその切断産物Cleaved PARP、Caspase3とその切断産物Cleaved Caspase3、がん抑制遺伝子の一つとしても知られるp53の存在も確認できた。これらのことから、細胞増殖抑制作用機構としてアポトーシスのシグナル伝達が起こったと考えられる。更にセサモール及びS3によるアポトーシス誘導のメカニズムを解析するためにLCMS/MSの解析を行った結果、セサモール及びS3によるアポトーシス誘導に共通して増減する複数のタンパク質を同定、定量した。同定したタンパク質のウエスタンブロットを行った結果、細胞死の増加と共にシグナルの増強が確認できた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K05880
ID情報
  • 課題番号 : 20K05880
  • 体系的課題番号 : JP20K05880