2011年10月
集団において思考は発展するか
指導と評価
- 巻
- 57
- 号
- 開始ページ
- 8
- 終了ページ
- 11
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 記事・総説・解説・論説等(その他)
みんなでいっしょに考えれば,一人で考えた場合よりも優れた効果が得られるという素朴な信念は様々な研究で否定されている。集団における思考の優位性は,次のような条件のもとに生じる。メンバー個人が目標を明確に持ち,互恵的な人間関係を作ることを努力すること,集団内の互恵的相互作用が機能するためには,何を言っても受容される土壌を整備すること,思考のプロセスを相手に伝えること,伝え方は話し言葉だけでなく,メモや図などを使う方法を用いること。このような工夫をすることにより集団での対話の中から「文殊の知恵」が生み出される。