2020年3月
下水汚泥の無加温嫌気性消化の現場維持管理データ分析とその活用について
下水道協会誌論文集
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- 巻
- 57
- 号
- 689
- 開始ページ
- 66
- 終了ページ
- 75
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.24748/jswa.57.689_66
- 出版者・発行元
- 日本下水道協会
近年下水汚泥の嫌気性消化が,エネルギー回収手段として見直されつつある.嫌気性消化の運転温度は,一般的に中温(30~37 ℃)もしくは高温(50~55 ℃)条件に設定される一方,無加温の嫌気性消化も一部の下水処理場で採用されている.本研究では,無加温もしくは中温よりも低温域で嫌気性消化を行っている下水処理場で,導入経緯や課題などのヒアリング調査および維持管理データによる現状解析を試みた.バイオガス発生率は,低温域でやや低下していたものの,消化日数40 日以上および有機物負荷率0.5 kgVS/(m3・d)以下で概ね安定していた.消化日数20 日程度以下になると,低負荷率であっても消化効率がやや不安定になる傾向が見られた.処理場毎の状況に応じて無加温嫌気性消化を組み合わせることで,バイオガスのエネルギー利用拡大につながる可能性が考えられた.また,維持管理データの分析方法などは処理場毎で異なっており,日常の維持管理業務でのデータ収集方法を整理することで,現場で蓄積している情報の更なる活用につながると考えられた.
- ID情報
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- DOI : 10.24748/jswa.57.689_66