2006年 - 2008年
南極のオゾンホール経由の紫外線照射により誘起される白内障発生の分子機構
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C)) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 18510022
- 体系的課題番号
- JP18510022
- 担当区分
- 連携研究者
- 配分額
-
- (総額)
- 4,250,000円
- (直接経費)
- 3,500,000円
- (間接経費)
- 750,000円
- 資金種別
- 競争的資金
研究成果の概要:南極上空に発生するオゾンホールにより増加したB領域の紫外線が,動物眼の角膜や水晶体に及ぼす影響を,分子分光学的手法により研究した。牛角膜に紫外線を照射すると,照射時間に応じて,角膜コラーゲンのアミドII赤外バンドの強度が,アミドI赤外バンドと比較して強度を減少させることが,FT-IR測定によって明らかになった。これは,コラーゲンの主成分であるプロリン残基が紫外線によって損傷を受けた結果と解釈された。また,ビタミンを添加した牛眼試料では,上記の強度減少が抑制されることも確かめられた。更に,南極で紫外線曝露した牛眼の水晶体の近い赤外ラマン散乱測定の結果,水晶体のトリプトファン残基由来のラマンシグナルが,他のアミノ酸残基と比較して著しく減少していることが明らかになった。主にシステイン残基が酸化されて重合することが原因で生じる老化による白内障とは,明らかに異なる機構で紫外線による白内障が進行していることを示していた。一方,南極昭和基地周辺で実施した,野生アデリーペンギンの眼の目視による調査では,眼に異常を来たしている個体を発見することは出来なった。ただし,ペンギン眼の分光学的な調査を実施しているわけではないので,分子レベルでの異常が眼に発生しているかどうかは未だに不明である。また,南極昭和基地周辺の紫外線強度の季節変動を連続的にモニターする目的で,昭和基地の環境科学棟...
- リンク情報
- ID情報
-
- 課題番号 : 18510022
- 体系的課題番号 : JP18510022