2014年3月
E-type代名詞としての「みんな」
トークス = Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : 神戸松蔭女子学院大学研究紀要言語科学研究所篇
- 巻
- 号
- 17
- 開始ページ
- 15
- 終了ページ
- 26
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- DOI
- 10.14946/00001419
- 出版者・発行元
- 神戸松蔭女子学院大学学術研究委員会
本稿は、一般に全称量化詞としてとらえられることの多い「みんな」という表現をとりあげ、量化詞としての性質に加えて、ある種の代名詞としての性質も合わせもつことを論じる。特に、Evans (1980) が論じた、E-type 代名詞としての性質が見られることを指摘し、「みんな」の文脈依存性を明らかにする。まず、「ロバ文」と称されてきた特定の文とその扱いを概説し、無差別束縛というメカニズムを使用する談話構造理論(DRT) と、文脈から指示が定まるとするE-type代名詞の扱いを比較し、無差別束縛では不都合な解釈を予測する場合のあることを指摘する。その上で、代名詞としての「みんな」は、無差別に束縛されるような環境にあるとするよりは、E-type 代名詞として扱った方がよいことを論じる。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.14946/00001419
- ISSN : 1343-4535
- CiNii Articles ID : 40021348236
- CiNii Books ID : AA11200630